スイスHoffmann-La Roche社は2011年11月9日、米食品医薬品局(FDA)がvismodegib(開発名 RG3616またはGDC-0449)の新薬承認申請を受理したと発表した。適応は、進行した基底細胞癌(BCC)で手術が適用にならない成人患者となっている。優先審査の適用も決まり、判断は2012年3月8日までに下ることになった。

 Vismodegibはヘッジホッグ信号伝達経路を選択的に阻害する経口薬。90%を超えるBCCの増殖にこの経路の活性化が関与していると考えられている。

 皮膚癌の中で最も一般的なBCCは、早期であれば手術により治癒するが、進行すると生命が脅かされる危険性がある。進行BCCに有効であることが示された治療は現在のところない。

 新薬承認申請の中心になったのは、シングルアームの多施設フェーズ2試験 ERIVANVE BCCの結果だった。国際的なオープンラベル試験は、局所進行型または転移性のBCCで、外科的切除が適応でない、または手術を行うと外見が大きく損なわれる可能性がある部位に病変を有する、もしくは放射線治療が禁忌、または奏効しなかった104人を登録し、150mgのvismodegibを1日1回、進行が見られるまで、または毒性により投与中止を余儀なくされるまで経口投与した。

 主要エンドポイントは客観的奏効率(腫瘍の縮小または消失を経験した患者の割合)に設定されており、独立したデータ評価委員会の分析では、局所進行BCC患者群で43%、転移性BCC患者では30%という結果になった。研究者たちが分析した客観的奏効率は、局所進行BCC患者が60%、転移性患者は46%になった。

 データ評価委員会が分析した無増悪生存期間の中央値は、局所進行患者と転移性患者のいずれも9.5カ月だった。

 多く見られた有害事象は、筋痙攣、脱毛、味覚異常、体重減少、疲労、悪心、食欲減退、下痢などだった。治療関連と考えられた重症有害事象は 4人の患者に発生。内訳は、胆汁うっ滞、失神、心不全を伴う肺炎、肺塞栓が1例ずつとなっていた。7人が死亡したが、治療関連と見なされた患者はいなかった。

 同社は現在、手術が適用可能なBCC患者を対象とするフェーズ2試験を進行中だ。

 この製品の米国内での臨床開発と商業化は米Genentech社が、日本では中外製薬が、それ以外の世界各国についてはRoche社が担当することになっている。