切除不能肝細胞癌(HCC)に対して、肝動脈塞栓術(trancecatheter arterial chemoembolization:TACE)とソラフェニブの併用は明確な抗腫瘍効果を持ち、安全性も管理可能である可能性が明らかとなった。韓国で行われたフェーズ2試験の結果、示されたもの。成果は11月4日から8日にサンフランシスコで開催されている米国肝臓病学会(AASLD)で韓国National Cancer CenterのJoong-Won Park氏によって発表された。

 フェーズ2試験は全身状態が良く、Child-Poughスコアが7以下で、BCLCステージがBまたはCの切除不能HCC患者を対象に行われた。2009年7月から2011年5月までに50人の患者が登録された。患者には20mgから60mgのドキソルビシンを投与するTACEを行い、3日後から1日当たり800mgのソラフェニブを連日投与した。2回目以降のTACEは前のTACEから4週〜6週空けて行われた。2回目以降のTACEの後も、3日後から1日当たり800mgのソラフェニブを投与した。主要評価項目は安全性と増悪までの時間(TTP)だった。

 患者の年齢中央値は61.5歳で、HBV陽性が65%、HCV陽性が18%だった。BCLCステージBが82%、BCLCステージCが18%を占めていた。腫瘍径の中央値は3.8cm、腫瘍の数の中央値は2個だった。

 試験の結果、各TACE後のソラフェニブ投与期間中央値は5日(3-20)で、併用療法ができた期間の中央値は158日(31-179)だった。TACEは1セッション実施が58%、2セッション実施が20%、3セッション実施が12%、4セッション実施が10%。毎日投与したソラフェニブの量の中央値は600mg、ソラフェニブの用量強度中央値は68.7%だった。50人中35人が副作用によって、ソラフェニブの減量を余儀なくされた。薬剤関連死、治療を受けてから30日以内の死亡はなかった。グレード3以上の副作用で多かったのは手足症候群(42%)、ALT上昇(36%)、AST上昇(32%)だった。

 TTP中央値は7.1カ月(95%信頼区間:4.8-7.5)で、単変量解析でTTPに有意に関連する因子は腫瘍型、ソラフェニブの投与期間、ソラフェニブの総投与量だった。データカットオフ時点で15人の患者が死亡しており、全生存期間中央値は20.8カ月となった。30人の患者が併用療法を24週間完了し、そのうち15人でHCCの増悪が見られた。