米OXiGENE社は9月14日、甲状腺未分化癌患者のレトロスペクティブな比較解析のデータから、化学療法のみで治療した患者と比較して、fosbretabulin(コンブレタスタチンA-4ホスフェート;CA4P、商品名ZYBRESTAT)を投与した患者で1年の生存のベネフィットが得られることが示唆されたと発表した。

 ZYBRESTATは、血管内皮細胞の細胞骨格タンパク質との相互作用を通して、選択的かつ強力に腫瘍の血流を遮断し、酸素供給を断つことで腫瘍壊死を誘導する。

 今回の解析では甲状腺未分化癌患者について、FACT試験を含む、ZYBRESTATを投与した5件の前向きのフェーズ1、2試験の結果と、1949〜1999年に米Mayo Clinicで治療した患者のデータを比較した。

 FACT試験は、大規模な多施設共同、非盲検の無作為化フェーズ2/3試験で、今年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO2011)で結果が発表されている。同試験では、カルボプラチンとパクリタキセルによる化学療法にZYBRESTATを併用する群と化学療法のみの群に患者を割り付け、全生存期間などを比較した。

 比較解析の結果は、9月10日からポーランドのクラクフで開催された35th Meeting of the European Thyroid Associationで、イタリアUniversity of PisaのRossella Elisei氏が発表した。主な知見は次の通り。

・Mayo Clinicで治療した患者134人中、13人(9.7%)が1年以上生存した。

・ZYBRESTATを単剤または化学療法との併用で使用した患者84人中、19人(23%)が1年以上生存した。最長の生存期間は、完全奏効が得られた患者の13年強である。

・FACT試験の対照群の1年生存率は9%で、Mayo Clinicの成績とほぼ一致した。同試験の試験治療群では24%となった。

・FACT試験とMayo Clinicの成績の直接比較については、過去50年間に標準治療が変化したこと、ならびに病期分類・サンプルサイズ・time-to-death analysis(FACT試験では生存期間を無作為化からの期間として算出。Mayo Clinicのデータでは開始時として診断日を使用)の違いがあることを補足説明したうえで、解釈される必要がある。

・ZYBRESTATで1年生存率が上昇したのは腫瘍が大きな患者だった。

 「甲状腺未分化癌患者の転帰は、Mayo Clinicのデータに示されるように、50年間に診断や手術手技、化学療法薬などが進歩してもなお不良である」――OXiGENE社のCEO、Peter J. Langecker氏はこう話し、ZYBRESTATを承認申請を目的とする治験に進め、治療パラダイムに大きく貢献する可能性があるとしている。