エリブリンは内臓転移を有する進行乳癌患者に投与した場合でも、対照群に比べて有意に全生存期間(OS)を延長できることが明らかとなった。局所再発、転移を有する乳癌を対象として行われたフェーズ3試験であるEMBRACE試験のサブ解析の結果、示されたもの。成果は9月8日から10日にサンフランシスコで開催されたBreast Cancer Symposium(ASCO Breast)で、米Weill Cornel Medical CollegeのLinda Vahdat氏によって発表された。

 EMBRACE試験は、少なくとも2種類の癌化学療法(アントラサイクリン系抗癌剤、タキサン系抗癌剤を含む)による前治療歴のある局所再発性・転移性の乳癌患者を対象として、グローバルで実施された多施設、無作為化、非盲検、並行2群間比較試験。対照は治験医師選択療法施行群で、他の単剤化学療法、ホルモン療法、生物学的薬剤療法、緩和療法(実際は適用されず)、放射線療法が含まれた。その結果、エリブリンは、治験医師選択療法に比べて、主要評価項目であるOSを統計学的に有意に延長することが示されていた。

 今回のサブ解析は、内臓転移のあった624人を対象に行われた。エリブリン群には413人が含まれ、平均年齢は55.0歳。肝臓に転移のある患者が71.7%、肺に転移のある患者が47.7%、胸膜が21.1%だった。治験医師選択療法施行群には211人が含まれ、平均年齢は56.1歳。肝臓に転移のある患者が75.4%、肺に転移のある患者が45.0%、胸膜が19.9%だった。全体として単一臓器のみの転移患者は120人(15.7%)で、他の患者は多臓器に転移があった。

 解析の結果、内臓転移を有する乳癌患者でエリブリンの投与を受けた患者のOS中央値は12.45カ月、治験医師選択療法施行群のOS中央値は10.12カ月で、ハザード比0.77、p=0.02で有意に改善していた。しかし、無増悪生存期間(PFS)には有意な差はなかった(ハザード比0.867、p=0.17)。エリブリン群の奏効率は11%(完全奏効1人を含む)、臨床利益率(完全奏効、部分奏効、6カ月を超える病勢安定)は21.7%、治験医師選択療法施行群の奏効率は5.0%、臨床利益率は16.6%だった。

 副作用プロファイルはEMBRACE試験全体と同様だった。