乳癌の術後補助化学療法としてのタキサン系抗癌剤の投与による末梢神経障害の発現と、無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)には関連がないことが明らかとなった。約5000人の患者を対象にした解析の結果示されたもの。成果は9月8日から10日にサンフランシスコで開催されたBreast Cancer Symposium(ASCO Beast)で、米Indiana University School of MedicineのB.P.Scheider氏によって発表された。

 解析対象患者は4950人。術後補助化学療法で、腋窩リンパ節陽性またはハイリスクリンパ節陰性乳癌患者で、AC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド600mgm2)を3週おきに4サイクル受けたあと、パクリタキセル175mg/m2を3週おきに4回受けた群(P3群)、パクリタキセル80mg/m2を毎週12回受けた群(P1群)、ドセタキセル100mg/m2を3週おきに4回受けた群(D1群)、ドセタキセル35mg/m2を毎週12回受けた群(D1)に分けて解析が行われた。末梢神経障害とDFS、OSの関係はCox比例ハザードモデルを用いて評価した。

 少なくとも1回のタキサン系抗癌剤の投与を受けた患者4702人のうち、グレード2から4の末梢神経障害を起こしたのは、P3群20%、P1群27%、D3群16%、D1群が16%だった。年齢、腫瘍の大きさ、リンパ節の状態、治療アーム、末梢神経障害、末梢神経障害-治療相互作用の情報を含むCox比例ハザードモデルで評価したところ、全体として(p=0.78)、また乳癌のサブタイプに関わらず(ER陽性がp=0.37、HER2陽性がp=0.29、トリプルネガティブがp=0.20)末梢神経障害とOSの間に関連はなかった。DFSについても全体として差がなかった(p=0.95)。