独4SC社は、2011年9月6日、再発性/難治性のホジキンリンパ腫患者を対象とする経口ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害薬レスミノスタット(開発名4SC-201)のフェーズ2試験SAPHIREで主要エンドポイントを達成したと発表した。得られた結果は、単剤投与での抗がん効果と安全性、忍容性を示した。

 レスミノスタットはHDACを広く阻害する経口薬だ。HDAC阻害薬は、がん細胞のDNA構造を変化させてがん細胞に分化とアポトーシスを誘導する作用を持つ。これを投与すれば腫瘍の増殖が止まり、やがて縮小に向かうと考えられている。

 オープンラベルのシングルアーム試験は複数の国で行われた。高用量の化学療法と/または自己幹細胞移植などを受けたが再発した、もしくは治療抵抗性になった患者を2011年6月まで登録した。レスミノスタットは5日間使用し9日間休薬する14日サイクルで投与した。用量は、当初は600mgを1日1回としていたが、忍容性が確認されたためにその後は800mgを1日1回に増やした。腫瘍の反応は、3サイクル終了時点、6サイクル終了時点と、その後は4サイクルごとにPETとCTを用いて評価した。追跡は進行が認められるまで継続した。

 登録された患者は、中央値6回の治療歴を持っていた。

 外部評価委員会が33人のデータを分析した結果は、全奏効率(完全奏効+部分奏効;Cheson基準を満たした患者とEORTC基準を満たした患者を合わせて評価した)が33.3%となり、主要エンドポイントの達成が確認された。疾患制御率(完全奏効+部分奏効+病勢安定)は54.5%になった。これらの結果は、レスミノスタットの単剤投与が、現時点では標準的治療が存在しない、さまざまな治療歴を有する進行したホジキンリンパ腫患者に利益をもたらすことを示した。

 全体として忍容性は高かった。比較的多く見られたグレード2-3の有害事象は悪心、貧血、血小板減少症などで、すべては用量調整または対症療法で十分に管理できた。

 薬物動態学的データは、経口投与で効果が期待できること、用量依存的に血漿濃度が変化することを示した。

 試験結果の詳細は近々学会で報告される予定だ。

 レスミノスタットについてはほかにも、進行肝細胞癌を対象とするフェーズ2試験とKRAS遺伝子変異型大腸癌を対象とするフェーズ1/2試験が進行中だ。

 2011年4月、ヤクルト本社は4SC社と契約を結び、この製品を日本で独占的に開発・商業化する権利を得た。肝細胞癌とKRAS遺伝子変異型大腸癌を主な対象としてレスミノスタットの開発を進めていく予定だという。