40歳未満の早期乳癌患者で、乳房温存術と乳腺切除術を行った患者の間には生存期間の差がないことが明らかとなった。米国立がん研究所(NCI)の癌患者データベースSEERの解析の結果示されたもの。成果は9月8日から10日に米国サンフランシスコで開催されているBreast Cancer Symposiumで、米Texas大学MD Anderson Cancer CenterのHsama Mahmood氏によって発表された。

 研究グループはSEERデータベースから、1990年から2007年の間に、20歳から39歳までの女性でT1-2、N0-1、M0の乳癌と診断され、乳房温存術(腫瘍摘出手術+放射線)か乳腺切除術(±放射線)を受けた患者のデータを抽出した。全生存期間(OS)と、原病での死亡のみを対象にした生存期間(CSS)を調べた。また多変量Cox回帰分析でOS、CSSに関連する因子を調べた。さらにマッチドペア分析で乳房温存術と乳腺切除術のOSとCSSを比較した。

 1万4764人のデータが解析された。観察期間中央値は5.7年。年齢中央値は36歳で、64%が白色人種。69%がT1で64%がN0だった。56%がエストロゲン受容体陽性、50%がプロゲステロン陽性。45%(6640人)が乳房温存術を受け、55%(8124人)が乳腺切除術を受けた。多変量解析の結果、診断からの期間、年齢、人種、グレード、腫瘍の大きさなどの、OSとCSSの予測因子が見つかった。

 乳房温存術群のOSを乳腺切除術群のOSと比較すると、ハザード比0.93(95%信頼区間:0.83-1.04、p=0.16)、CSSを比較すると0.93(95%信頼区間:0.83-1.05、p=0.26)で両手法による差はなかった。

 さらにマッチドペア分析で、10年OSは乳房温存術群で83.5%、乳腺切除術で83.6%で、p=0.99と差がなかった。10年CSSも乳房温存術群で85.5%、乳腺切除術85.5%、p=0.88と差がなかった。