進行肝細胞癌にソラフェニブを投与する際に、Child-Pugh Bでスコアが7の患者では腹水がある場合がない場合よりも予後が悪い可能性が明らかとなった。肝機能が悪いほどソラフェニブの効果が低減することはすでに示されているが、スコア7の患者で腹水のある患者はよりソラフェニブの投与を避けた方が良いかもしれない。成果は9月2日から4日に香港で開催されたInternational Liver Cancer Association年会(ILCA2011)で、韓国National Cancer CenterのH.Y.Kim氏によって発表された。

 研究グループは、2007年7月から2010年12月までにソラフェニブの投与を受けた325人について解析した。325人のうち、Child-Pugh Aが245人、Bが80人だった。Aのうちスコアが5が134人、6が111人、Bのうちスコアが7が51人、8から9が29人だった。全体でソラフェニブの投与期間中央値は8.0週、観察期間中央値は4.9カ月、無増悪期間(TTP)中央値は3.0カ月、全生存期間(OS)中央値は5.8カ月だった。

 スコア5の患者では完全奏効(CR)が0.7%、部分奏効(PR)が1.4%、病勢安定(SD)が35.1%だった。スコア6の患者では完全奏効(CR)が0%、部分奏効(PR)が1.0%、病勢安定(SD)が43.2%だった。スコア7の患者では完全奏効(CR)が0%、部分奏効(PR)が1.9%、病勢安定(SD)が19.6%だった。スコア8から9の患者では完全奏効(CR)が0%、部分奏効(PR)が0%、病勢安定(SD)が17.2%だった。グレード3/4の副作用発現率は各スコアで大きな差はなかった。

 OS中央値はスコア5が8.4カ月、スコア6が5.1カ月、スコア7が3.5カ月、スコア8から9が2.6カ月だった。

 さらにスコア7の患者のOSに対する多変量解析(スコア8から9は患者数が少なく解析不能)で見つかった因子の1つである腹水の有無で分けたところ、スコア7で腹水のない18人のOS中央値は4.6カ月(95%信頼区間:1.9-7.3)で、腹水のある33人の2.5カ月(同 1.3-3.7)に比べて有意にない患者が長かった(p=0.027)。