TRAIL-R1アゴニストヒトモノクローナル抗体であるMapatumumabとソラフェニブの併用が、進行肝細胞癌に有用である可能性が明らかとなった。進行肝癌、慢性ウイルス性肝炎患者を対象にしたフェーズ1試験で忍容性が確認され、一部で抗腫瘍効果が確認されたもの。

 ソラフェニブはTRAIL抵抗性蛋白であるMcl-1を標的にしていることから、ソラフェニブとの併用はMapatumumabのアポトーシス誘導効果を高めると期待されている。成果は9月2日から4日に香港で開催されたInternational Liver Cancer Association年会(ILCA2011)で、米Pennsylvania UniversityのW.Sun氏によって発表された。

 フェーズ1試験はChild-Pugh AまたはMELDスコアが15未満で測定病変を持ち、HBV表面抗原かNCV抗体を持つ患者を対象に行われた。すべての群にソラフェニブ400mgを1日2回投与し、Mapatumumabは21日サイクルで3mg/kg投与する群(3mg群)、10mg/kg投与する群(10mg群)、30mg/kg投与する群(30mg群)に分けられ、病状が進行するか副作用で続けられなくなるまで投与は続けられた。3mg群には6人(うち男性5人)が登録され全員HCV抗体陽性だった。10mg群には9人(全員男性)が登録され8人がHCV抗体陽性だった。30mg群には8人(うち男性6人)が登録され6人がHCV抗体陽性だった。

 すべての患者で少なくとも1件の副作用が発生した。Mapatumumabに関連した重篤な副作用は3mg群で1人、10mg群で2人、30mgで1人に発生した。ソラフェニブに関連した重篤な副作用は3mg群で2人、10mg群で2人、30mgで1人に発生した。多く見られた副作用は下痢、倦怠感、吐き気などだった。Mapatumumabに関連もしくはソラフェニブとの相互作用に関連したグレード3以上の副作用は3mg群で胸痛、高血圧、筋肉痛、10mg群で肝臓痛、低カリウム血症がそれぞれ1件ずつだった。ソラフェニブに関連したグレード3以上の副作用は3mg群で高血圧が2件、胸痛が1件、筋肉痛が1件、10mg群で手掌・足底発赤知覚不全症候群が1件、下痢が1件、倦怠感が1件、肝臓痛が1件、30mg群で手掌・足底発赤知覚不全症候群が1件、低カリウム血症が1件だった。グレード3以上の血液検査値以上も少なからず認められた。

 抗腫瘍効果は部分奏効(PR)が2人(すべて3mg群)、12週以上の病勢安定(SD)が8人(3mg群1人、10mg群3人、30mg群4人)だった。

 現在、Mapatumumabの投与量を30mg/kgとしたフェーズ2試験が進行中だ。