肝細胞癌(HCC)に対してソラフェニブ肝動脈化学塞栓療法(TACE)を組み合わせると高い奏効率が得られることが、アジアで行われた臨床試験であるSTART試験の3回目の中間解析の結果、明らかとなった。成果は9月2日から4日に香港で開催されたInternational Liver Cancer Association年会(ILCA2011)で、台湾Veterans General HospitalのYee Chao氏によって発表された。

 START試験は原則としてChild Pughスコアが7以下、腫瘍の最大径が10cm未満でTACEを受けたことのないHCC患者を対象に行われた。TACEではドキソルビシン30mgから60mgが投与された。TACEとソラフェニブの併用は6週から8週おきに繰り返された。1回目のTACE終了後4日目からソラフェニブ400mgが1日2回投与され、次のTACEが行われる4日前にソラフェニブの投与は中断、TACEが行われた後4日目に再開された。各TACEの4〜6週間後に腹部のCTスキャンが実施され、TACEを継続するかどうかの判断が行われた。TACEの実施最大回数は6サイクルとされた。腫瘍がCTで確認されなくなった場合にはTACEは引き続いては行われず、ソラフェニブ400mgの1日2回投与のみが実施された。

 試験には166人の患者が登録され、147人の患者で効果の評価が可能だった。年齢中央値は56.4歳。BCLCステージAが17.3%、Bが80.9%、Cが1.9%。Child PughAが91.6%で、Bが7.7%だった。B型肝炎による癌患者が82%を占め、原発巣の外科的切除を受けていない患者が89.7%で、局所治療を受けていない患者は89.0%だった。

 試験の結果、147人のTACEのサイクル数の平均は2.1で、1サイクルから7サイクルまでの範囲だった。ソラフェニブの投与用量の平均は743.5mgとなった。完全奏効(CR)が41人(27.9%)、部分奏効(PR)が36人(24.5%)、病勢安定(SD)が57人(38.8%)で、奏効率は52.4%、疾患制御率は91.2%となった。

 無増悪生存期間(PFS)中央値は270日、無増悪期間(TTP)中央値は280日、全生存期間中央値は未到達で、2年の観察期間後でも90%を超える患者が生存していた。

 ソラフェニブに関連するグレード3以上の副作用は、グレード3の皮膚症状が10.2%と最も多く、血液検査異常が7.5%、胃腸障害が3.4%などだった。グレード4の副作用はなかった。

 試験の最終解析は2012年第2四半期に行われる予定。