マルチキナーゼ阻害剤のE7080が、Child-Pugh分類Aの進行肝細胞癌(HCC)を対象にしたフェーズ1試験で有望な結果が得られたことが明らかとなった。Child-Pugh分類A、Bの進行HCCを対象に行われているフェーズ1/2試験の一部が公になったもの。最大耐量(MTD)が決まり、一部で抗腫瘍効果が認められた。成果は9月2日から4日に香港で開催されたInternational Liver Cancer Association年会(ILCA2011)で、国立がん研究センター中央病院の奥坂拓志氏によって発表された。

 E7080は、血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)1〜3、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)や、c-kitを標的とするチロシンキナーゼ阻害剤。

 Child-Pugh分類がAの進行HCCを対象にしたフェーズ1試験は、毎日12mgを投与するレベルから開始され、12mgに6人、16mgに3人が登録された。患者の年齢中央値は62歳(52-74)。男性が67%、PS0が56%、PS1が44%、肝外転移のある患者が78%だった。HBV性が44%、HCV性が44%、アルコール性が11%で、以前にVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤の投与を受けた経験のある患者は56%だった。

 毎日12mg投与群では1人に用量制限毒性(発熱、嘔吐)が発生、毎日16mg投与群で3人中2人に用量制限毒性(肝性脳症、蛋白尿)が発現したため、毎日12mgがMTDとなった。

 多く発現したグレード1/2の副作用は下痢、食欲不振、血中TSH上昇、倦怠感、吐き気などだった。グレード3の主な副作用は高血圧、低ナトリウム血症だった。グレード4の副作用はなかった。

 抗腫瘍効果はRECIST1.1の評価で部分奏効(PR)が2人で認められ、病勢安定が4人だった。

 現在、未治療または1レジメンまでの治療を受けたことのあるChild-Pugh分類AのHCC患者を対象に、12mgを投与するフェーズ2試験が行われている。