独Boehringer Ingelheim社は、2011年8月29日、乳癌対象にafatinibの臨床試験を新たに開始したことを明らかにした。

 afatinibは、ErbBファミリーに属する受容体型チロシンキナーゼ(EGFR、HER2など)を不可逆的に阻害する経口薬。

 いずれもフェーズ2試験である1200.89試験は先頃、LUX-Breast 2試験は2011年5月に始まった。

 1200.89試験は、オープンラベルの非無作為化試験で、約40人の患者を登録する予定だ。HER2陽性の局所進行または転移性の炎症性乳癌患者に対するafatinibの有効性と安全性の評価を目的としている。炎症性乳癌は最も悪性度が高い種類の乳癌に分類される。この試験の主要エンドポイントは、臨床的有用性(完全奏効、部分奏効、6カ月以上の病勢安定)に、2次評価指標は全奏効率と全奏効期間、無増悪生存期間、安全性に設定されている。

 LUX-Breast 2(1200.98)試験は、オープンラベルの非無作為化試験で、約120人の登録を予定している。HER2陽性のステージIVの転移性乳癌で、既存のHER2標的薬(トラスツズマブと/またはラパチニブ)に反応しなかった人々を対象に有効性と安全性の評価が進んでいる。主要エンドポイントは客観的奏効率、2次エンドポイントは最良総合効果、全奏効期間、無増悪生存期間、安全性に置かれている。

 上記に加えてafatinibについては、枢要な国際的フェーズ3 LUX-Breast 1(1200.75)が進行中だ。こちらもオープンラベルの無作為化試験で、転移性のHER2陽性乳癌でステージIVの患者のうち、トラスツズマブ治療を既に1回受けたが進行が見られた人々を登録している。すべての患者に標準治療となるビノレルビンを適用しながら、トラスツズマブまたはafatinibのいずれかを投与している。主要エンドポイントは無増悪生存期間に、2次エンドポイントは、RECIST基準に基づく治療に対する反応や全生存期間、無増悪期間、QOL、安全性などに設定されている。

 1200.89試験とLUX-Breast 1試験は、摘出された腫瘍組織の分析でHER2過剰発現が確認された患者に限定して登録している。

 同社は、乳癌のほか、非小細胞肺癌の治療にafatinibを用いるフェーズ3試験も行っている。