独Bayer HealthCare社は、8月23日、骨転移を有する去勢抵抗性あるいはホルモン抵抗性前立腺癌の治療薬として開発中の「Alpharadin」(塩化ラジウム223)が、米食品医薬品局(FDA)から優先承認審査(ファストトラック)の対象として認められたと発表した。

 Alpharadinはアルファ線放射性医薬品(アルファ線放出核種の化合物)であり、体内カルシウムとほぼ類似した作用を示す。Bayer HealthCare社はノルウェーAlgeta ASA社とAlpharadinの独占的な開発・販売提携を結んでいる。

 今年6月、症候性骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)患者を対象としたフェーズ3試験ALSYMPCAで、Alpharadinの投与によって全生存期間が有意に延長し、主要評価項目を達成したと発表された。全生存期間中央値は、Alpharadin群では14.0カ月、プラセボ群が11.2カ月だった(両側p値0.0022、ハザード比0.699)。

 この中間解析の結果を受けた独立データモニタリング委員会の勧告によって、フェーズ3試験は早期に中止され、プラセボ群の患者にもAlpharadinによる治療が行われた。Alpharadinの安全性や忍容性は、フェーズ1試験、フェーズ2試験の結果と一致しており、新たな有害事象は認められなかった。

 ALSYMPCA試験は、標準治療とAlpharadinを投与する群と、標準治療とプラセボを投与する群に患者を2対1の割合で無作為に割り付けた無作為化二重盲検プラセボ対照国際フェーズ3試験。
 
 主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は骨関連事象(SRE)発現までの期間、前立腺特異抗原(PSA)やアルカリホスファターゼ(ALP)値の変化と増悪までの期間、安全性、QOL、医療経済と設定された。試験は、Algeta ASA社が2008年6月に開始し、患者登録は2011年1月に終了。922人が無作為に割り付けられた。