中外製薬は2011年8月15日、スイスRoche社とBRAF阻害薬のベムラフェニブ(vemurafenib)に関するライセンス契約を結んだと発表した。vemurafenibはRoche社により欧州と米国で、BRAFにV600変異を有する転移性メラノーマ患者を対象として承認申請されている。

 vemurafenibは低分子経口薬で、癌の増殖を促進するタイプの変異を有するBRAFたんぱく質の機能を選択的に阻害する。BRAFは正常細胞の増殖と生存に役割を果たしているが、特定の変異が生じると、増殖は歯止めがきかない状態になる。

 BRAF V600変異陽性の転移性メラノーマ患者を対象とするフェーズ3 試験BRIM3で得られたデータは、標準的な化学療法が適用された患者群に比べvemurafenib投与群で全生存期間と無増悪生存期間が有意に延長することを示した。

 この製品はRoche社と第一三共グループのPlexxikon社が2006年から共同で開発してきた。Roche社は並行して、BRAF V600変異陽性患者を同定するためのCobas 4800 BRAF V600 Mutation Testの開発も行っている。

 日本のメラノーマの年間罹患者数は1300-1400人で、それらのうちの約30%がBRAF変異を持つと推定されている。

 契約に基づいて中外製薬は、日本におけるこの製品の開発と販売に関する独占的な権利を得、Roche社にマイルストーンを支払うことになった。同社は、V600変異陽性患者を対象とするフェーズ1試験を2012年に開始する計画だ。また、Roche社が進行中の臨床試験の結果によっては、BRAF変異がかかわる他の種類の癌を標的とする開発にも取り組む可能性があるという。