米Bristol-Myers Squibb 社は7月14日、治療歴のある悪性黒色腫患者の治療薬として、細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)に対する完全ヒト型モノクローナル抗体イピリムマブ(商品名YERVOY)が、欧州で承認されたと発表した。

 イピリムマブは新規の免疫療法薬。CTLA-4は自然な免疫反応を抑制する上で重要な役割を果たすが、イピリムマブはそのCTLA-4を特異的に阻害する。欧州では、治療歴のある切除不能もしくは転移性黒色腫に対する治療薬として20年ぶりの承認となる。

 悪性黒色腫は、早期であれば治癒が可能だが、転移した場合の生存期間はおよそ6-9カ月、1年以内に75%の患者は死亡するといわれている。

 今回の承認は、切除不能もしくは転移性黒色腫患者を対象にした無作為化二重盲検フェーズ3試験(MDX010-020)の結果に基づく。試験ではイピリムマブ(3mg/kg)とペプチドワクチンgp100の併用(403人)、イピリムマブ(3mg/kg)単独(137人)、gp100単独(136人)が比較された。

 その結果、イピリムマブによって生存期間は改善し、併用群の生存期間中央値は10カ月、イピリムマブ単独群も10カ月、gp100単独群は6カ月であり、イピリムマブ投与群では生存期間が3-4年に及ぶ患者も見られた。またgp100単独群に対し、イピリムマブ単独群の死亡リスクは34%低下、併用群は32%低下したことが示されている。

 イピリムマブによる有害事象は大半が免疫関連の有害事象であり、重篤な有害事象として全腸炎や内分泌障害、皮膚炎、肝炎、神経障害などが見られる。このため、それら有害事象の症状の評価や肝機能検査、甲状腺機能検査は必要となる。
 
 米国では2011年3月25日に、米国食品医薬品局(FDA)が切除不能もしくは転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、イピリムマブ3mg/kgを承認した。