中外製薬は、7月1日、エルロチニブについて、治癒切除不能な膵癌にゲムシタビンと併用投与することへの適応拡大が承認されたと発表した。膵癌用に25mg製剤と100mg製剤が認められた。膵癌ではゲムシタビンとの併用で、通常、成人にはエルロチニブとして100mgを食事の1 時間以上前または食後2 時間以降に1日1回経口投与する。

 中外製薬は、国内フェーズ2試験、海外で行われたフェーズ3試験PA.3 試験の結果を基に申請を行っていた。PA.3試験では、標準的な化学療法であるゲムシタビンとエルロチニブを併用することで、主要評価項目の全生存期間ならびに副次的評価項目の無増悪生存期間が統計学的に有意に延長することが示されている。

 膵癌へのエルロチニブ投与には間質性肺疾患の発現率が非小細胞肺がんの治療に用いる場合より高いこと、国内での間質性肺疾患の発現率が海外に比べて高いこと、海外では間質性肺疾患による死亡例が認められていることが報告されていることから、中外製薬には厳重な安全対策が要求されている。

 治癒切除不能な膵癌の患者にエルロチニブを処方できる施設が厚生労働大臣指定のがん診療連携拠点病院および特定機能病院に限定される等の施設要件、日本膵臓学会・日本癌治療学会・日本臨床腫瘍学会の会員であること等の医師要件を設定するとともに、医師にはE-learningの受講が求められる。さらに特定使用成績調査(全例調査)、投与前登録、投与前・投与中検査の実施、患者への説明・同意取得、処方毎の膵癌用の「タルセバ錠治療確認シート」の交付を医師に求めるなど。