米Peregrine Pharmaceuticals社は、2011年6月15日、治療歴の無い局所進行または転移性非小細胞肺癌患者にシスプラチンとパクリタキセルに加えてモノクローナル抗体製剤バビツキシマブを投与したオープンラベルのシングルアーム・フェーズ2試験で好結果が得られたと発表した。

 バビツキシマブはホスファチジルセリンに結合するモノクローナル抗体製剤。ホスファチジルセリンは強い免疫抑制作用を持ち、正常細胞では細胞内に存在するが、腫瘍に栄養を運ぶ血管を裏打ちする細胞では反転して細胞表面に露出しているため、癌治療の標的として有望と考えられている。バビツキシマブは、細胞表面のホスファチジルセリンに結合し、免疫抑制作用を阻害して、免疫系による認識と破壊を容易にする。

 フェーズ2の対象はステージIIIB/IVの患者49人で、全生存期間の中央値は12.4カ月になった。同様の患者にシスプラチンとパクリタキセルを投与した場合の全生存期間の中央値は10.3カ月と報告されているため、バビツキシマブを加えると、生存期間の約20%延長が期待できることが示唆された。

 この試験では先に、客観的奏効率が43%、無増悪生存期間の中央値は6.1カ月という結果も得られている。やはり同様の患者を対象にこれまでに行われた研究では、シスプラチンとパクリタキセルが併用された患者の客観的奏効率は15%、無増悪生存期間は4.5カ月と報告されている。

 安全性については、シスプラチンとパクリタキセルの毒性をバビツキシマブが増強することを示すデータは報告されていない。

 現在同社は、非小細胞肺癌患者に第一選択としてバビツキシマブとシスプラチン、パクリタキセルを投与する無作為化フェーズ2の患者登録を進めている。最高86人を登録する予定のこの試験の中間結果は、2011年の後半に得られる見込みだ。

 また、バビツキシマブとドセタキセルを非小細胞肺癌患者に対する第二選択として用いる二重盲検の無作為化フェーズ2と、ペメトレキセドとカルボプラチンとともにバビツキシマブを第一選択として非小細胞肺癌患者に用いるフェーズ1b試験も進行中だ。