米Amgen社は5月20日、固形腫瘍で骨転移を有する患者の骨関連事象(SRE)を予防する抗RANKL抗体denosumabの販売承認について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が肯定的な見解を示したと発表した。欧州委員会に承認された場合、同社は欧州連合(EU)の全加盟国においてdenosumabの販売承認を得ることになる。

 denosumabは、RANKL(NFκB活性化受容体リガンド)に特異的に結合し、破骨細胞による骨破壊を減少させる完全ヒト型モノクローナル抗体。

 今回のCHMPの肯定的な見解は、denosumabとビスホスフォネート製剤のゾレドロン酸について、SRE(病的骨折、骨病変に対する放射線照射、脊髄圧迫、外科手術)の発生を遅らせる効果を直接比較した3件のフェーズ3試験の結果に基づく。

 これらの試験では、denosumabは4週ごとに120mgを皮下注射し、ゾレドロン酸は4週ごとに15分かけて静脈注射した。denosumabは50を超える癌腫、5700人を超える患者に投与された。

 その結果、ゾレドロン酸と比較して、denosumabはSREの予防において臨床的に重要な改善をもたらすことが証明された。特に乳癌や前立腺癌で骨転移を有する患者では、SREのリスク低下について、ゾレドロン酸に対するdenosumabの優越性が示された。また、他の固形腫瘍による骨転移や多発性骨髄腫による骨病変がある患者では、SREのリスクの低下について、ゾレドロン酸に対するdenosumabの非劣性が示された。

 3件の試験の統合解析では、SREの初回発生までの期間の延長、さらに初回発生からその後の発生までの期間の延長について、ゾレドロン酸に対するdenosumabの優越性が示された。

 ベースラインの時点で疼痛が軽度またはなかった患者では、疼痛が増強するまでの期間がゾレドロン酸と比較してdenosumabで有意に延長した。一方、疼痛が改善するまでの期間はゾレドロン酸とdenosumabで同様であった。

 有害事象および重篤な有害事象の発現率は、denosumabとゾレドロン酸で同様であった。顎骨壊死の発現は稀であり、両群で有意差はなかった。ただし、低カルシウム血症はdenosumabで多く発現した。3件の試験において、全生存期間と無増悪生存期間は両群で同様であった。

 Amgen社は、オーストラリア、メキシコ、ロシア、スイスでも販売承認申請を行っている。日本では第一三共がdenosumabの開発・販売を行う独占的権利を取得しており、昨年8月に販売承認申請を行っている。