ベルギーThromboGenics NV社とスウェーデンBioInvent International AB社は5月16日、両社が共同開発した多形性グリア芽細胞腫に対する新規の抗体製剤TB-403(RG7334)のフェーズ1b/2試験が開始され、最初の患者に投与が行われたと発表した。同試験の実施は、スイスHoffmann-La Roche社が行っている。

 多形性グリア芽細胞腫はヒトの原発性脳腫瘍の中でも頻度が高く、攻撃性が強い。ヒト化モノクローナル抗体のTB-403は、胎盤成長因子(PIGF)を標的とし、腫瘍の増殖に必要な新たな血管の形成を妨げて作用すると考えられている。2件のフェーズ1試験では、TB-403の忍容性は良好で、用量制限毒性は出現しなかった。

 今回の多施設共同のフェーズ1b/2試験では、再発性のグリア芽細胞腫患者を対象として、ベバシズマブとの併用でTB-403の安全性と臨床的な効果が検討される。副次的な目標は、併用における安全性、忍容性、薬物動態などを検討することで、バイオマーカーの候補の評価も行なわれる。患者登録は約100人を予定している。

 同試験の開始により、ThromboGenics NV社とBioInvent International AB社には、Roche社から支払金(マイルストーンペイメント)として約4億5600万円が支払われる。

 Roche社はまた、今年3月に原発性肝癌(肝細胞癌)患者を対象として、TB-403のフェーズ1b試験を開始している。この試験では、ソラフェニブとの併用におけるTB-403の安全性、忍容性、用量が判断されるとともに、薬物動態ならびに薬理学的な評価も行われる。患者登録は60〜70人を予定している。