米ZIOPHARM Oncology社と米Intrexon社は2011年5月13日、合成遺伝子Ad-RTS-IL-12(INXN 2001/1001)をメラノーマ患者に投与して安全性を評価する、全く新しい癌遺伝子治療のフェーズ1試験の開始許可を米食品医薬品局(FDA)に提出したと発表した。

 Ad-RTS-IL-12は患者の体内でインターロイキン-12(IL-12)を発現させる。IL-12は細胞の免疫反応の開始と調節に重要な役割を果たすが、組み換え型のたんぱく質をそのまま投与すると高い毒性を示す。これを細胞内で合成させ、その量を厳格に管理することで、治療効果は得られるが有害にならない発現量を達成すべく開発されたのがAd-RTS-IL-12だ。

 この製品を腫瘍内に注射すると、アデノウイルスベクターが患者の細胞にIL-12遺伝子を導入する。細胞内での遺伝子発現はIntrexon社の「RheoSwitch Therapeutic System(RTS)」により制御される。RTSは、活性化因子を経口投与することにより遺伝子発現をスイッチオン、またはオフするシステムだ。

 フェーズ1試験では、この治療の免疫学的反応や生物学的影響の評価も予定されている。

 Intrexon社は、天然に存在するシステムの人工的な再構築を試みるSynthetic Biology(構成的生物学または合成生物学)アプローチをベースに、より良い製品を安価かつ速やかに生産する「BetterDNA」技術を開発し、医療、農業、工業などさまざまな分野のパートナーに提供して、望み通りの特性を持つ製品の開発を支援している。たとえば、「BetterDNA」を遺伝子治療に適用した場合には、適切な場所で、必要なレベルの遺伝子発現を、意図したタイミングで誘導することが可能になるという。

 両社が共同で開発している製品の臨床試験開始許可が申請されたのはAd-RTS-IL-12で2件めだ。最初に申請が提出されたDC-RTS-IL-12(INXN 3001/1001)についてはフェーズ1b試験のデータが、2011年6月3-7日にイリノイ州Chicagoで行われる米臨床腫瘍学会(ASCO)2011で報告される予定だ。

 Ad-RTS-IL-12については、2件の前臨床試験のデータが5月18-21日にワシントン州Seattleで開催される米遺伝子細胞治療学会(ASGCT2011)で公表される。