米食品医薬品局(FDA)は2011年4月28日、米Cougar Biotechnology社の前立腺癌治療薬アビラテロン(製品名「Zytiga」)を承認した。適応は、ホルモン療法抵抗性の転移性前立腺癌でドセタキセル投与歴を有する患者。低用量のステロイドと併用される。

 この製品の市販許可申請には優先審査が適用されたが、予定された2011年6月20日よりも早くFDAは承認を決めた。

 承認は、13カ国でドセタキセル投与歴を有するホルモン療法抵抗性患者1195人を登録して行われたフェーズ3試験(COU-AA-301)の結果に基づく。この試験に登録されて、アビラテロン(1000mg)とステロイド(5mg)を1日2回投与されたグループの生存期間は14.8カ月、ステロイドのみを投与された患者では10.9カ月で、約4カ月の生存期間延長が示された。さらに、前立腺特異抗原(PSA)値が上昇するまでの時間や無増悪生存期間なども、アビラテロン投与群のほうが有意に良好だった。

 アビラテロン群に多く観察された有害事象は、関節の腫脹または不快感、体液貯留、低カリウム血症、のぼせ、下痢、尿路感染症、高血圧などだった。

 アビラテロンは、前立腺癌の増殖と進行を加速するホルモンとして知られるテストステロンの合成に関与する酵素、CYP17A1を選択的に阻害する。既存のホルモン療法(アンドロゲン枯渇療法)に反応しなくなった患者にとって、アビラテロンは新たな選択肢になるはずだ。

 なお、アビラテロンが奏効しない患者もいることから、治療に反応する患者を選抜する方法の研究が引き続き行われる。また、既存の治療薬と併用した場合の有効性と安全性の評価も予定されている。

 アビラテロンは米Centocor Ortho Biotech社が販売することになっている。