初発の多発性骨髄腫で、自家幹細胞移植(ASCT)後のレナリドミド維持療法は、無増悪生存期間を延長させ、さらに全生存期間も延長させることが、無作為化二重盲検フェーズ3試験「CALGB ECOG BMT-CTN 100104」の28カ月のフォローアップで明らかになった。米Roswell Park Cancer InstituteのPhilip McCarthy氏らが、フランス・パリで開催された国際骨髄腫ワークショップ(IMW、5月3日〜6日)で発表した。

 試験は、Cancer and Leukemia Group B (CALGB)とEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)、Blood and Marrow Transplant Clinical Trials Network (BMT CTN)によって行われた。対象は、ステージ1-3の多発性骨髄腫で、治療開始から1年以内、導入療法で病勢安定(SD)以上の状態が得られている70歳以下の患者とした。

 患者登録の後、メルファラン200 mg/m2による治療とASCTが行われた。ASCT後100日目に再度効果判定をして、SD以上の患者を無作為に2群に割り付け、レナリドミドもしくはプラセボを病勢進行まで投与した。レナリドミドの初回投与量は10mg/日で、毒性によって5〜15mg/日まで増減された。

 主要評価項目はASCT後の無増悪生存期間(TTP)とした。副次評価項目はASCT後の完全奏効(CR)率、全生存期間(OS)、レナリドミド長期投与のfeasibilityと設定された。

 フェーズ3試験には47施設568人が登録された。導入療法として、サリドマイドを含む治療を受けていた患者は43%、レナリドミドを含む治療を受けていた患者は35%、ボルテゾミブによる治療は42%の患者が受けていた。

 2009年12月17日に試験の結果が公開され、その後は非盲検試験としてプラセボ群の患者はレナリドミド治療へのクロスオーバーが許可された。結果、プラセボ群の86人がレナリドミド治療を受けた。

 今回報告されたのは6回目の中間解析の結果。2011年4月17日の時点で、レナリドミド群におけるイベント(増悪もしくは死亡)数は69人、プラセボ群では116人だった(p<0.0001)。レナリドミド群の増悪リスクはプラセボ群に比べて56%低下した(ハザード比0.44)。

 ASCT後のフォローアップ中央値28カ月で、TTP中央値はレナリドミド群では48カ月、プラセボ群は30.9カ月だった。2011年4月17日の時点で、死亡はレナリドミド群が23人、プラセボ群が39人だった(p=0.018)。フォローアップ中央値17.5カ月の時点ではOSは2群間に有意差がなかったが(p=0.05)、28カ月の時点で比較した結果では有意差が認められた(p=0.018)。

 事前に設定された評価項目ではないが、無イベント生存期間(EFS)中央値は、レナリドミド群で43.4カ月、プラセボ群は30.9カ月だった。またサリドマイドおよびレナリドミドによる導入療法で層別化したところ、サリドマイド治療あるいはレナリドミド治療の有無に関わらず、レナリドミド群の方がEFSは良好な結果を示した。

 レナリドミド治療と2次癌との関連性が指摘されているが、この試験で2次癌は568人中29人に認められた。このうち登録後に血液癌を発症したのは、レナリドミド群では8人、プラセボ群は0人だった。レナリドミド群8人の内訳は急性リンパ性白血病(ALL)が1人、ホジキンリンパ腫(HL)が1人、急性骨髄性白血病(AML)が5人、骨髄異形成症候群(MDS)が1人だった。また登録後に消化器癌や乳癌などの固形癌を発症したのは、レナリドミド群では10人で、プラセボ群では4人だった。

 この結果についてMcCarthy氏は「2次癌はレナリドミド群の方が多かったが、現時点ではEFSやOSに大きく影響はしないだろう」と述べた。