再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)にレナリドミドとデキサメタゾンを投与する際に起こる2次癌の発生率は、投与期間が長くても短くても、正常人の浸潤性癌での2次癌発生率と比べて有意には増加しないことが、長期間観察したレトロスペクティブな解析の結果明らかとなった。成果は5月3日から6日にフランスパリで開催された国際骨髄腫ワークショップ(IMW)2011で、英The Royal Marsen HospitalのG.Morgan氏によって発表された。

 2003年から2007年に登録された米国SEER癌登録から、浸潤性癌の発現率は65歳を超えると年間100人あたり2.1%と報告されている。

 Morgan氏はまず、RRMMに対してレナリドミドとデキサメタゾンを併用投与した場合とプラセボとデキサメタゾンを併用投与した場合とを比較した、MM-009試験(n=353人)とMM-010試験(n=351人)のデータを解析した。クロスオーバー後も全生存期間が、最初からレナリドミドとデキサメタゾンを併用投与した群が有意に優れていた試験だ。この2つの試験で、レナリドミド群の2次癌発生率は1.71%(95%信頼区間:0.86-3.43)、プラセボ群の2次癌発生率は0.91%(95%信頼区間:0.23-3.66)で、すべて盲検の段階で起きていた。両群ともSEER登録のデータを下回った。浸潤性2次癌が起きるまでの時間はハザード比1.445(95%信頼区間0.294-7.09)、p=0.649で有意な差はなかった。

 次にMorgan氏は、米Celgene社の支援によって行われた試験で、RRMM患者にレナリドミドの投与を受けた11試験のデータをプール解析した。全部で3846人で年齢中央値は64歳、14%が75歳以上だった。7%にあたる263人がレナリドミドの単独療法、他はレナリドミドとデキサメタゾンの併用療法を受けた。レナリドミドベースの治療を受けた期間の中央値は5カ月(0.03-58)だった。

 2次癌は52件発生し、発現率は全体で2.08%、12カ月以上投与を受けた患者で2.12%、18カ月以上受けた患者で2.13%、24カ月以上投与された患者で2.35%、36カ月以上受けた患者で2.45%と、投与期間による有意な差はなかった。出現する癌種も、全体と24カ月以上投与を受けた患者で差はなかった。Morgan氏は、SEER癌登録の浸潤癌発現率と比べて、レナリドミドを投与受けた群で2次癌が有意に多く発現することはないとした。