新規に診断された多発性骨髄腫患者で、大量化学療法の有効性が低いといわれるt(4;14)転座を持つ患者に、自己幹細胞移植なしでボルテゾミブベースの治療を行うことは、自己幹細胞移植を行って新規薬剤を併用しない場合に比べて、抗腫瘍効果、無増悪生存期間の延長ができる可能性が明らかとなった。カナダで行われたフェーズ2試験で示されたもの。成果は5月3日から6日にフランスパリで開催されている国際骨髄腫ワークショップ(IMW)2011で、カナダPrincess Margaret HospitalのD.REECE氏によって発表された。

 フェーズ2試験は、導入療法として、21日を1サイクルとして4サイクル行った。ドキシル(リポソーム型ドキソルビシン)30mg/m2は各サイクル4日目に、ボルテゾミブ1.3mg/m2を各サイクル1日目、4日目、8日目、11日目に、デキサメタゾンは40mgを1サイクル目は1日目から4日目、8日目から11日目、15日目から18日目まで投与し、2から4サイクル目までは1日目から4日目と11日目から14日目に投与した。

 導入後療法は28日を1サイクルとして8サイクル行った。シクロホスファミド100mg/m2を1日目、8日目、15日目、22日目に、ボルテゾミブ1.5mg/m2を1日目、8日目、15日目に、プレドニゾン100mgを1日おきに投与した。メインテナンス療法としてデキサメタゾン40mgを毎週投与した。

 カナダの8施設で330人の患者がスクリーニングされ、36人がt(4;14)陽性だった。このうち24人の患者がフェーズ2試験に登録された。患者の年齢中央値は60歳(45-69)だった。

 試験の結果、評価可能だった22人のうち、sCR(厳密完全寛解)が6人(27%)、CR(完全寛解)が4人(18%)、VGPR(非常に良い部分寛解)が6人(27%)、PR(部分寛解)が3人(14%)だった。観察期間中央値16カ月(2.3-31.3)で生存が19人、無増悪生存が14人だった。1年無増悪生存率は67.5%(95%信頼区間:48.7-93.7)、1年全生存率が83.5%(95%信頼区間:67.9-100)となった。t(4;14)変異を持つ患者で自己幹細胞移植を行って新規薬剤を併用しない場合は無増悪生存期間が8から9カ月、全生存期間中央値は18カ月程度とされており、ボルテゾミブベースの治療法の有効性が示された。

 重篤な副作用は5人の患者で見られた(感染症など)。グレード3以上の血液毒性は好中球減少症が5件、血小板減少症が5件だった。