再発もしくは難治性の多発性骨髄腫患者において、ヒートショックプロテイン90(Hsp90)阻害剤であるKW-2478とプロテアソーム阻害剤ボルテゾミブの併用は安全に施行でき、抗腫瘍効果も認められることがフェーズ1試験で明らかになった。フランス・パリで開催されているinternational myeloma workshop(5月3日〜6日)で、英国London大学のK. Yong氏らが発表した。

 KW-2478は、癌細胞の増殖や転移、アポトーシス抑制に関与しているHsp90の働きを阻害する薬剤。KW-2478の単剤療法では、多発性骨髄腫を含め、治療歴のあるB細胞性腫瘍の患者に対して、忍容性に優れ、病勢安定の延長が報告されている。

 KW-2478とボルテゾミブ併用のフェーズ1試験は段階的増量試験として行われた。KW-2478とボルテゾミブは1サイクルを21日として、第1日、4日、 8日、11日に静注された。病勢進行もしくは重篤な有害事象が認められない場合、KW-2478とボルテゾミブの併用療法を8サイクル、その後、KW-2478の単剤療法を9サイクル行った。

 用量は、まず3人にKW-2478を130mg/m2、ボルテゾミブは1.0mg/m2(コホート1)、別の3人にKW-2478を130mg/m2、ボルテゾミブは1.3mg/m2(コホート2)、また別の3人にKW-2478を175mg/m2、ボルテゾミブは1.0mg/m2(コホート3)を投与し、6人にKW-2478を175mg/m2、ボルテゾミブは1.3mg/m2(コホート4)を投与した。

 用量制限毒性(DLT)は1サイクルめに発生した、グレード3以上の非血液毒性(治療でグレード2以下に抑えられる悪心、嘔吐、下痢は除く)もしくはグレード4の血液毒性(5日以内の好中球減少は除く)とした。

 患者15人の年齢中央値は66歳(49〜77歳)だった。

 15人のうち14人に1つ以上の有害事象が見られた。主な有害事象は下痢(9人)、悪心(9人)、便秘(7人)、疲労感(6人)だった。コホート4の患者1人にグレード3の失神性めまいが認められ、DLTは1人であった。グレード3/4の有害事象は8人に見られ、KW-2478に関連するグレード3の有害事象は2人で、1人は体重減少と下痢、疲労感、呼吸困難、1人は失神性めまいだった。

 効果判定した14人のうち、3人に抗腫瘍効果が認められた。International Myeloma Working Group(IMWG)規準で、完全奏効が1人、最良部分奏効(VGPR)が1人、部分奏効が1人だった。

 フェーズ1の結果から、KW-2478が175mg/m2、ボルテゾミブが1.3mg/m2をフェーズ2試験の推奨用量と決定され、すでにフェーズ2試験は進行している。