MVAC抵抗性尿路上皮癌に対するゲムシタビンカルボプラチン併用投与は奏効率16.7%で、単一臓器に転移を有する症例にゲムシタビン+カルボプラチンを長期間施行することで予後の改善が期待できる可能性が示された。4月21日から名古屋市で開催された第99回日本泌尿器科学会総会で、神戸大学腎泌尿器科学分野の古川順也氏が発表した。

 同科では2005年4月から、MVAC療法(メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチン)抵抗性の進行尿路上皮癌にはゲムシタビンとカルボプラチンの併用療法を行っている。なお、ゲムシタビン+カルボプラチンでPDとなった場合は、パクリタキセル+カルボプラチンとしている。

 今回、古川氏らは、ゲムシタビン+カルボプラチン療法の制癌効果、有害事象、臨床病理学的因子が制癌効果に及ぼす影響などを検討した。

 対象は2005年4月から2010年6月までにMVAC療法抵抗性と診断された尿路上皮癌に対してゲムシタビン+カルボプラチン療法を施行した54例。

 投与方法は、day1にカルボプラチン(AUC=5)、day1およびday8にゲムシタビン1000mg/m2を点滴静注するもので、原則として3〜4週間毎に投与した。投与量の減量については、初回投与前クレアチニンクリアランスが60mL/min未満の症例において80%に減量投与し、以後は有害事象に応じて主治医の判断によって減量投与した。

 54例の患者背景は、年齢67歳、PSは0/1/2/3がそれぞれ20例/25例/8例/1例。原発巣が上部尿路だったのは28例、膀胱だったのは26例。原発巣の手術ありの例が34例、転移臓器数は0/1/2/3がそれぞれ3例/32例/10例/9例だった。所属リンパ節転移が27例と最も多く、肺転移19例、骨転移13例などだった。

 施行サイクル数は平均5コースで、中央値は3コースだった。観察期間は平均11.6カ月、中央値6カ月だった。

 投与完遂率は、100%の投与量が可能だったのは1コース目は94.4%、2コース目は68%で、残りは70〜80%へと減量していた。3コース目(n=39)、4コース目(n=25)には40%が70〜80%へと減量していた。

 追跡の結果、CRは0例で、PR以上の奏効率は16.7%。奏効期間は3〜50カ月(中央値10カ月)だった。

 癌特異的生存率は、中央値が13.7カ月で、6カ月生存率は78.9%、1年生存率は51.5%、2年生存率は19.8%だった。

 無増悪生存率は、中央値が5.2カ月で、6カ月生存率は47.3%、1年生存率は18.1%だった。

 癌特異的生存率に対する予後予測因子を解析した結果、単変量解析ではゲムシタビン+カルボプラチン療法の施行数(1-4コース vs. 5コース以上)でハザード比3.08(p<0.0001)、転移臓器数(単一臓器 vs. 複数臓器)でハザード比3.02(p=0.0021)と、2つの項目が有意な因子として見出された。多変量解析では、ゲムシタビン+カルボプラチン療法の施行数(1-4コース vs. 5コース以上)のみが有意な因子だった。

 有害事象については、血液学的事項について、グレード3以上の白血球減少、貧血、血小板減少が57〜87%と高頻度に見られたが、非血液学的事項については多くがグレード1で、グレード3以上は見られなかった。

 これらの結果から古川氏は、MVAC抵抗性尿路上皮癌に対するゲムシタビン+カルボプラチン療法はPR以上の奏効率は16.7%、奏功期間中央値は10カ月で、セカンドラインの化学療法であることを考慮するとゲムシタビン+カルボプラチン療法の抗腫瘍効果は比較的満足できるとし、特に単一臓器に転移を有する症例にゲムシタビン+カルボプラチン療法を長期間施行することで予後の改善が期待できる可能性があるとまとめた。