経口のMEK1/2阻害剤selumetinib(AZD6244)が進行胆道癌の治療薬として有効性と安全性の面から有望であることが、多施設共同のフェーズ2試験の結果から明らかになった。試験の詳細は、4月25日のJournal of Clinical Oncologyオンライン版に掲載された。

 selumetinibはプロテインキナーゼ阻害剤に属し、癌細胞の増殖と生存に必要なプロテインキナーゼのMEK1とMEK2を選択的に阻害する。

 このフェーズ2試験には進行胆道癌患者28人(年齢中央値55.6歳)が参加し、患者はselumetinib 100mgを1日2回内服した。主要評価項目は奏効率であった。すべての患者で試験登録前に組織が採取された。リン酸化ERK(pERK)とAKT(pAKT)の測定が免疫組織染色法で行われ、BRAFまたはRASを活性化する遺伝子変異の有無が調べられた。

 その結果、3人(12%)で奏効が得られた。1人は完全奏効(CR)、2人は部分奏効(PR)だった。17人(68%)は安定状態(SD)となり、このうち14人(56%)でSDが16週以上持続した。39%の患者が1つの前治療を受けていたにも関わらず、無増悪生存期間(PFS)の中央値は3.7カ月、全生存期間(OS)の中央値は9.8カ月となった。

 また、患者には平均約4kgの体重の回復が認められたが、この中にはselumetinibが奏効していないとみられる患者も含まれていた。

 selumetinibの毒性は軽度で、発疹(90%)、口内乾燥(54%)が多く観察された事象であった。グレード4の有害事象は1人のみに発現し、疲労感であった。

 BRAFのV600E変異は検出されなかった。SDの持続が短かった2人にKRASの変異が認められた。pERKを認めなかった患者では奏効が得られなかったことから、癌細胞にpERKが認められない場合はselumetinibが作用しない可能性が示唆された。

 同試験の主任研究者を務めた米 Ohio State UniversityのTanios Bekaii-Saab氏は、「今回の結果により、今後selumetinibを大規模試験で検討するための強力な根拠が得られた。他剤との併用などにより、近い将来、胆道癌に新たな標準治療が確立されることを期待している」とコメントしている。

 selumetinibの日本における開発は検討中だ。