エーザイは4月22日、自社で創製・開発した新規癌剤エリブリンについて、日本で手術不能又は再発乳癌を対象に製造販売承認を取得したと発表した。これで、日米欧の3極で承認されたことになる。薬価収載後、夏前にも発売される見通しだ。

 エリブリンは非タキサン系微小管ダイナミクス阻害剤。海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai)から抽出されたハリコンドリン類の全合成類縁化合物で、微小管の短縮(脱重合)には影響を与えずに伸長(重合)のみを阻害し、さらにチューブリン単量体を微小管形成に関与しない凝集体に変化させる。

 日本における承認は、全世界で実施したフェーズ3試験(EMBRACE試験:Eisai Metastatic Breast Cancer Study Assessing Physician's Choice Versus E7389)および日本で実施したフェーズ2試験(221試験)の結果に基づいている。

 EMBRACE試験は多施設、無作為、非盲検、並行2群間比較試験で、エリブリン投与群と主治医選択治療群との間で全生存期間を比較した。2種類から5種類の化学療法剤(アントラサイクリン系及びタキサン系抗癌剤を含む)による前治療歴のある、局所再発性あるいは転移を有する乳癌患者762人を対象に実施された。プロトコールに定められたタイムポイントでの解析で、エリブリン投与群は主治医選択治療群と比較し全生存期間を2.5カ月間延長した(全生存期間:13.1カ月 対 10.6カ月、ハザード比 0.81、p=0.041)。

 221試験は、アントラサイクリン及びタキサン系抗癌剤による前治療歴のある進行・再発乳癌の患者を対象とした、多施設共同による非盲検の試験。試験の結果、奏効率21.3%(評価対象80例中、奏効17例)と効果が認められ、忍容性プロファイルは良好だった。