スイスHoffmann-La Roche社は4月15日、欧州における転移性乳癌に対するベバシズマブの適応拡大について、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が肯定的な見解を示したことを発表した。

 転移性乳癌に対し、欧州ではE2100試験の結果に基づき、ベバシズマブとパクリタキセルの併用がすでに承認されている。今回の申請では、タキサン系抗癌剤やアントラサイクリン系抗癌剤などによる化学療法が適切でない転移性乳癌患者に対するファーストライン治療として、ベバシズマブとカペシタビンの併用を提案している。

 この適応拡大の申請は、無作為化フェーズ3試験(RIBBON 1試験)の結果に基づく。

 RIBBON 1試験では、化学療法による治療歴がないHER2陰性の転移性乳癌患者1237人を対象に、化学療法とベバシズマブの併用と化学療法とプラセボの併用を比較した。化学療法には、タキサン系抗癌剤、アントラサイクリン系抗癌剤、カペシタビンが使用された。

 その結果、どの薬剤においても、ベバシズマブとの併用により無増悪生存期間(PFS)が延長された。PFSの中央値は、カペシタビンを単独で投与した群で5.7カ月だったのに対し、ベバシズマブとカペシタビンを併用した群で8.6カ月だった。

 疾患が進行せずに生存する可能性は、カペシタビンを単独で投与した群と比べ、ベバシズマブとカペシタビンを併用した群で45%増加した(ハザード比 0.69、p=0.0002)。腫瘍が縮小した人の割合は、カペシタビンを単独で投与した群は23.6%、ベバシズマブとカペシタビンを併用した群は35.4%となった(p=0.0097)。

 RIBBON 1試験の結果から、パクリタキセルなどのタキサン系抗癌剤ベースの化学療法に適さない患者でも、ベバシズマブとカペシタビンの併用というファーストライン治療の別の選択肢が得られる可能性が示された。欧州委員会による最終的な承認は、今年後半になるとみられている。