レチノイドの1種であるベキサロテンエルロチニブを併用することが、KRAS遺伝子変異の有無に関係なく進行非小細胞癌(NSCLC)に有効である可能性が明らかになった。フェーズ2試験で全生存期間(OS)の延長傾向が認められた。成果は4月2日から6日にオーランドで開催されている米国癌研究会議(AACR)で、米Dartmouth-Hitchcock Medical CenterのKonstantin H.Dragnev氏によって発表された。

 KRASに変異があるとエルロチニブの効果が十分に発揮できず、KRAS変異に関係のない新たな治療法が求められている。

 ベキサロテンはサイクリンD1のプロテオソームにおける分解を誘導する。エルロチニブもサイクリンD1を抑制するが、作用メカニズムが異なる。

 研究グループは、まず、早期のNSCLC患者10人を対象に1日あたりベキサロテン400mg/m2とエルロチニブ150mgを7日間から9日間投与し、サイクリンD1の変化を調べた。結果、半数以上の患者でサイクリンD1が減少していることが分かった。サイクリンD1の減少はEGFR変異、KRAS変異と関係はなかった。

 次に、進行NSCLC患者を対象にフェーズ2試験を行った。登録患者数は42人で、実際に投薬を受けたのは40人だった。病期はすべて4期。年齢中央値は67歳(46-77)で、52%が女性だった。前化学療法レジメン数中央値は2(0-5)だった。

 患者には1日あたりベキサロテン400mg/m2とエルロチニブ150mgを連日投与した。その結果、OS中央値は22週となった。Dragnev氏は、対照は16週であり、長くなる傾向が示されたとしている。高トリグリセリド血症、皮疹を発症した患者では、発症しなかった患者よりも全生存期間中央値が有意に延長していた。特に3人の患者で長期生存が得られ、1人はEGFR、KRASともに野生型の女性で、セカンドラインとして1460日以上の投与が続けられている。もう1人はEGFR野生型でKRAS変異型の男性で、サードラインとして投与され、無増悪生存期間は665日だった。最後の1人はEGFR変異があり、KRAS変異がない女性で、ファーストラインとして投与され、無増悪生存期間は583日だった。

 グレード3以上の多かった副作用は、高トリグリセリド血症13人、皮疹6人などだった。