アルブミン結合させたナノ粒子にパクリタキセルを封入した製剤nab-paclitaxelは、悪性黒色腫で予後が悪い因子とされる乳酸脱水素酵素(LDH)が高いレベルの患者で、ダカルバジンよりも有意に無増悪生存期間(PFS)を延長できることが明らかとなった。進行悪性黒色腫患者を対象に、ダカルバジンとnab-paclitaxelを比較したフェーズ2試験のレトロスペクティブな解析の結果示されたもの。成果は4月2日から6日に米国オーランドで開催されている米国癌研究会議(AACR)で、米Arizona大学のLee D Cranmer氏によって発表された。

 フェーズ2試験は2005年1月から2009年9月まで行われた。進行悪性黒色腫患者を対象に、nab-paclitaxel投与群(78人)、ダカルバジン投与群(58人)が登録された。それぞれの群は1サイクル終了後、どちらの薬剤を2サイクル目に選んでも良いとされた。両剤を使用した患者は最初に投与された薬剤で分類された。フォローアップができなかった患者を除き、nab-paclitaxel群(43人)、ダカルバシン投与群(48人)に分けて解析が行われた。年齢中央値はnab-paclitaxel群の方が若く、高LDH群はnab-paclitaxel群に多い傾向があった。

 試験の結果、全体ではダカルバジン群の奏効率は6%、PFS中央値は2.7カ月、6カ月PFS率は19%、全生存期間(OS)中央値は6.6カ月、1年生存率は48%、nab-paclitaxel群の奏効率は21%、PFS中央値は4.7カ月、6カ月PFS率は79%、OS中央値は11.4カ月、1年生存率は44%だった。全体では奏効率(p=0.03)、6カ月無増悪生存率(p=0.0001)がnab-paclitaxel群で有意によかった。

 投与開始時のLDHの状態で分けると、高LDHだった患者ではダカルバジン群のPFS中央値は2.0カ月、OS中央値は5.8カ月だったのに対し、nab-paclitaxel群はPFS中央値4.6カ月、OS中央値は8.6カ月だった。投与開始時でLDHが正常だった患者では、ダカルバジン群のPFS中央値は2.8カ月、OS中央値は11.2カ月だったのに対し、nab-paclitaxel群はPFS中央値4.8カ月、OS中央値は11.9カ月だった。高LDH群のPFS中央値の差のみが統計学的に有意(p=0.05)だった。