米Bristol-Myers Squibb社は3月25日、米食品医薬品局(FDA)が切除不能のメラノーマに対する治療薬として、イピリムマブ3mg/kgを承認したと発表した。

 イピリムマブは完全ヒト抗CTLA-4抗体製剤。T細胞の活性化を抑制するCTLA-4に結合し、CTLA-4とリガンドのCD80やCD86の相互作用を遮断する。CTLA-4を遮断することにより、T細胞の活性化と増殖が促進されることがわかっている。イピリムマブはメラノーマに対し、間接的に、T細胞介在性の抗腫瘍免疫応答を介して作用すると考えられる。

 イピリムマブは、大規模な無作為化、二重盲検のフェーズ3試験で全生存期間(OS)を有意に改善することが証明され、切除不能のメラノーマに対する初めてかつ唯一の治療法となった。同試験の結果は、2010年のNew England Journal of Medicine誌と第46回米国臨床腫瘍学会で報告された。

 この試験では、切除不能のメラノーマで治療歴のある患者676人を対象とし、患者を3:1:1の割合で3群に割り付けた。イピリムマブ3mg/kgとペプチドワクチンgp100の併用群に403人、gp100のみを投与する群に136人、イピリムマブ3mg/kgのみを投与する群に137人が割り付けられた。

 主要評価項目のOSの中央値は、併用群は10.0カ月、gp100のみを投与する群は6.4カ月となった(p<0.001)。イピリムマブのみを投与する群は10.1カ月だった(p=0.003)。イピリムマブを投与した2群間に差はなかった。

 1年生存率は、併用群43.6%、gp100のみを投与する群25.3%、イピリムマブのみを投与する群45.6%となり、2年生存率はそれぞれ21.6%、13.7%、23.5%となった。

 ただし、イピリムマブは、T細胞の活性化と増殖により、重度で致命的な免疫関連の有害事象を引き起こす可能性がある。このような免疫関連の有害事象は皮膚や消化管に発現しやすく、多くは治療中に最初に発現するが、イピリムマブの投与中止後、数週間から数カ月を経て発現する場合もある。

 同試験のグレード3以上の免疫関連の有害事象は、イピリムマブを投与した群の10〜15%、gp100のみを投与した群の3%に発現した。試験治療薬に関連する死亡は14人(2.1%)で、うち7人は免疫関連の有害事象と関連していた。

 Bristol-Myers Squibb社は、イピリムマブの市販後調査の実施についてFDAに同意を示している。この調査では、切除不能のメラノーマ患者を対象に、今回承認された3mg/kgの用量と試験中の10mg/kgの用量について、安全性と有効性を比較する。

 同社は今回の承認から数週間以内にイピリムマブの出荷を開始する予定だ。