米Amgen社は3月18日、KRAS遺伝子野生型の切除不能大腸癌の治療において、抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体製剤パニツムマブの販売承認を化学療法との併用にも拡大する同社の申請に対し、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が否定的な見解を示したことを明らかにした。

 パニツムマブは世界初のヒト型抗EGFRモノクローナル抗体製剤。米国では、フッ化ピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンを含む化学療法を施行後に進行を認めたEGFR陽性の切除不能大腸癌の単剤治療薬として、2006年9月に承認された。なお、パニツムマブは、KRAS遺伝子のcodon12、13の突然変異を認める患者には推奨されない。

 欧州では、KRAS野生型であることも条件に加え、標準治療が成功しなかったEGFR陽性の切除不能大腸癌に対する単剤治療薬として、2007年12月に承認された。

 現在、パニツムマブは日本を含む30カ国以上で販売され、このうち日本とイスラエルでは、KRAS野生型の切除不能大腸癌に対し化学療法との併用が認められている。

 Amgen社は、化学療法とパニツムマブの併用をKRAS野生型の切除不能大腸癌に対する重要な治療選択肢と考えており、今回のCHMPの見解を再検討したうえで、適切な次の方法を検討するとしている。

 PRIME試験および181試験では、KRAS野生型の切除不能大腸癌に対するパニツムマブとFOLFOXまたはFOLFIRIの併用が、化学療法のみを行った場合と比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが示された。全生存期間(OS)は併用群で良好だったが、有意差はなかった。一方、KRAS変異型の患者では、併用群の転帰は化学療法のみの群と比べて不良であった。

 有害事象の発現率は、抗EGFR抗体製剤に関する既知の毒性(発疹、下痢、低マグネシウム血症など)を除き、両試験で同様だった。パニツムマブに関連するグレード3以上のInfusion reactionの発現率は、患者の1%未満だった。