スイスNovartis社は3月15日、骨髄線維症患者を対象に、欧州で実施されたJanus kinase(JAK)阻害剤INC424(ruxolitinib)のフェーズ3試験「COMFORT-II」で、臨床的改善の指標である脾臓の有意な縮小が認められ、主要評価項目に達したと発表した。

 骨髄線維症は腫瘍細胞によって骨髄に線維化がおこる血液腫瘍。骨髄不全や脾腫のほか、倦怠感、寝汗、かゆみなどの症状を伴い、QOL低下や体重減少、生存期間の短縮が特徴とされる。造血幹細胞移植によって治癒が可能だが、移植は若年者が対象であり、有効な治療法が求められていた。

 INC424は、JAK1とJAK2チロシンキナーゼを選択的に阻害する薬剤。原発性骨髄線維症患者の約半数にJAK2遺伝子のV617F変異が見られる。骨髄線維症はJAK遺伝子が関与する骨髄増殖性腫瘍の中でも予後不良といわれている。

 COMFORT-II試験は、欧州の56施設で実施された無作為化オープンラベルフェーズ3試験。原発性骨髄線維症、後真性多血症骨髄線維症(PPV-MF)、後本態性血小板血症骨髄線維症(PET-MF)の患者219人を対象に、3分の2の患者がINC424による治療を、3分の1の患者は各担当医が判断したbest available therapyを受けた。

 主要評価項目は、試験開始時から48週までに脾臓が35%以上縮小した患者の割合とし、脾臓のサイズはMRIやCTで測定された。

 48週時点での脾臓の縮小を評価した結果、臨床的改善が認められた。INC424の安全性については新たな有害事象はなかった。詳細なデータは今後開催される学術会議で報告される。

 INC424に関しては2つのフェーズ3試験が実施されており、今回はその1つ。先に結果が報告されているCOMFORT-I試験は、米国、カナダ、オーストラリアで実施された。INC424とプラセボを比較し、24週時点で脾臓の縮小と症状の改善が確認されている。

 同社は、COMFORT-I試験とCOMFORT-II試験の結果に基づいて、世界各地の規制当局への申請提出を2011年第2四半期から開始する予定であるという。