仏ERYtech Pharma社は、2011年3月9日、56歳以上の急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者に「GRASPA」を第一選択として投与する、オープンラベルのフェーズ2試験の患者登録を完了したと発表した。

 「GRASPA」は、ヒトの赤血球の中にL-アスパラギナーゼを封じ込めたものからなる。L-アスパラギナーゼは以前から、ALL患者に化学療法薬とともに投与されてきた。白血病細胞は増殖にアスパラギンを必要とするが、自分では合成できないため、血清中のアスパラギンを利用している。これを分解するL-アスパラギナーゼは悪性細胞に細胞死を誘導するが、免疫原性が高く、そのまま投与すると有害事象を引き起こすため、さまざまな処方の製品が開発されてきた。

 「GRASPA」は、他の処方のL-アスパラギナーゼに比べ作用時間が長く、少ない用量で有効で、アレルギー反応の発生は少なく、安全性のプロファイルは良好であることが示されている。従って、ハイリスクの高齢患者や過敏症の患者にも適用できると期待されている。

 フェーズ2試験は、Group for Research on Adult Acute Lymphoblastic Leukemia(GRAALL)に所属している医療機関で行われている。56歳以上のALL患者を30人登録して、安全性と有効性を評価する計画で、データは2011年第3四半期に得られる見込みだ。

 「GRASPA」の開発は欧州で最も進んでおり、同社は2012年末までにALLを対象とする市販許可獲得をめざしている。欧州では既にオーファンドラッグ指定を受けている。また、ALL以外の血液がんや、膵臓がんその他の固形癌の治療に「GRASPA」を適用するための開発も進行中だ。