中外製薬は、3月10日、転移性乳癌などに使われているトラスツズマブ(商品名「ハーセプチン」)について、「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」に対する効能・効果および用量・用法の追加に関する承認を取得したと発表した。

 これは、HER2陽性の進行・再発胃癌を対象に、日本人患者も参加して行われた臨床試験(ToGA試験)の結果を受けて申請されていたもの。

 ToGA試験は、HER2陽性の進行・再発胃癌を、フッ化ピリミジン系抗癌剤(カペシタビンまたは静注5-FU)とシスプラチンを併用した群と、フッ化ピリミジン系抗癌剤とシスプラチンにトラスツズマブを併用した群に割り付けて比較したもので、トラスツズマブを併用した群が全生存期間を有意に延長することが確認されていた。

 今回、トラスツズマブ(商品名「ハーセプチン注射用60」「ハーセプチン注射用50」)の効能・効果、用法・用量で追加、変更されたのは以下の通り。

効能・効果の追加
 HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌

用法・用量の変更
 HER2過剰発現が確認された転移性乳癌にはA法を使用する。HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法にはB法を使用する。HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でB法を使用する。

A法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブとして初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。

B法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブとして初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。

なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。