抗EGFR抗体2剤を混合した製剤であるSym004のフェーズ1試験が順調で、予備的な解析段階で1人の確認部分奏効(PR)、3人で病勢安定(SD)が得られていることが明らかとなった。成果は、3月7日から9日までフランスパリで開催されている9th International Symposium on Targeted Anticancer Therapies(TAT2011)で、スペインVall d'Hebron University HospitalのR.Dienstmann氏によって発表された。

 Sym004は、EGFRの細胞外ドメインIIIの明らかにオーバーラップしていないエピトープを認識するIgG1キメラ抗体である992抗体と1024抗体を1対1で混合したもの。in vitroとin vivoの実験で最も効果が高かった両抗体を組み合わせた。in vitroの実験では複数の癌細胞株でEGFRの取り込みを調べたところ、パニツムマブ、セツキシマブよりも高い活性を保持していた。癌細胞移植モデルでも、セツキシマブより高い抗腫瘍効果を示した。

 フェーズ1試験はまず難治性の固形癌を対象に、0.4mg/kg(1人)、0.75mg/kg(1人)、1.5mg/kg(3人)、3.0mg/kg(3人)、6.0mg/kg(3人)、9.0mg/kg(6人)、12mg/kg(3人)で段階的に増量し、その後12mg/kgのSym004を抗EGFR抗体療法を受けても病状が進行したKRAS野生型の転移を有する大腸癌患者16人を対象に投与する予定。

 現在、用量増多の段階が終わったところで、最初の4週の毎週投与で用量制限毒性は、9.0mg/kg群で注射関連反応が1件見られた。接種前にステロイドなどを投与することで、注射関連反応は見られなくなった。予想外の有害事象は認められなかった。

 この用量増多の段階で1人にPR、3人にSDが認められた。現在、12mg/kgの投与量で拡大コホートで試験を進めている。