米Synta Pharmaceuticals社は2月26日、ヒートショック蛋白90(HSP90)の阻害剤であるganetespibSTA-9090)が、進行性非小細胞肺癌NSCLC)患者を対象とするフェーズ2試験で有望な予備結果を示したことを明らかにした。この結果は、世界肺癌学会(IASLC)の11th Annual Targeted Therapies for the Treatment of Lung Cancer Meetingにおいて、Premiere OncologyのJonathan Goldman氏が発表した。

 HSP90は細胞内分子シャペロンの1つで、蛋白の適切な折りたたみや輸送などに関与し、癌細胞の増殖や生存の促進に重要な役割を果たすことが知られている。ganetespibは、17-AAGなどの初期のHSP90阻害剤とは異なる構造を持ち、予備的な研究では初期の阻害剤を上回る活性が認められた。現在、NSCLCをはじめ、乳癌、前立腺癌、膵癌、結腸直腸癌、胃癌、小細胞肺癌などの幅広い癌種に対し、臨床試験が進められている。

 今回のフェーズ2試験では、前治療が失敗したステージIIIB、IVの進行性NSCLC患者を対象として、単剤療法としてganetespibを週1回、200mg/m2で3週投与、1週休薬とした。投与は進行を認めるまで継続した。主要評価項目は16週時の無増悪生存期間(PFS)だ。
 
 この試験では、遺伝子プロファイルで患者をコホートに分類している。当初のEGFR変異型のA群(15人)、KRAS変異型のB群(17人)、EGFRおよびKRASが野生型のC群(25人)の3群で有望な徴候が示されたため、さらに2群が追加された。腺癌のみのD群(32人)、単剤療法で進行を認めたものの何らかの臨床的な有用性が得られ、ganetespibとドセタキセルの併用療法を行うこととしたE群(5人)である。

 Goldman氏の今回の発表によると、C群とD群の評価可能な33人のうち、3人に部分奏効を認めており、うち1人は14カ月間、2人は6カ月間にわたり治療を継続中だという。また、10人に標的とする腫瘍の縮小を、22人に腫瘍の安定状態(増殖が20%未満)を認めている。

 さらに両群の安全性評価が可能な36人において、頻度が高かった治療関連性のグレード3または4の有害事象の発生をみると、疲労感8%、下痢6%、不眠6%だった。多くの有害事象はグレード1または2で、支持療法で管理可能だった。他のHSP90阻害剤で観察される重度の肝毒性や、頻度が高い眼毒性などは見られていない。これらの安全性に関する結果は、フェーズ1試験およびこれまでに行われた15件の試験で350人の患者に投与した結果と一致していた。

 フェーズ2試験は現在も続行中で、最終結果は今年後半に得られる見込み。またNSCLC患者を対象として、ドセタキセルとganetespibの併用療法のフェーズ2b/3試験が今年半ばに開始される予定だという。