米Amgen社によると、乳癌と前立腺癌を除くさまざまなタイプの固形癌または多発性骨髄腫の患者を登録し、デノスマブ(製品名「XGEVA」)とゾレドロン酸(製品名「ゾメタ」)の骨関連事象(SREs)予防効果を比較した国際的な二重盲検無作為化フェーズ3試験の結果が、Clinical Oncology誌2011年2月22日号に報告された。得られた結果は、SREsを予防する、または発生を遅らせる効果について、デノスマブのゾレドロン酸に対する非劣性を示した。

 デノスマブは、破骨細胞の形成・活性化に必須のRANKリガンドを標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体で、米国では2010年11月18日に、骨転移がある固形癌の患者のSREs予防に適用する許可を得ているが、多発性骨髄腫患者への適用は未承認だ。

 米Pennsylvania病院のDavid H. Henry氏らは、1776人の進行癌患者を登録、デノスマブ120mgの皮下注射(886人)またはゾレドロン酸4mg(腎機能を指標として用量を調整)の静脈内投与(890人)に割り付け、いずれも4週間に1回投与した。全員に対し、カルシウムとビタミンDを毎日摂取することを強力に推奨した。

 臨床試験の主要エンドポイントは、割り付け以降の初回SRE(骨折、骨への放射線照射または手術、脊椎圧迫骨折)までの期間に設定された。

 初回SREまでの期間の中央値は、デノスマブ群が20.6カ月、ゾレドロン酸群は16.3カ月で、ハザード比は0.84となりデノスマブの非劣性が確認された(p=0.0007)が、デノスマブの優越性は示されなかった(p=0.06)。

 両群の全生存期間、無増悪生存期間に差は無かった。

 多発性骨髄腫患者のみを対象とする分析を行ったところ、死亡率はデノスマブ群で有意に高かった。ハザード比は2.26(1.13-4.50)。著者らは人数が180人と少なかったことから、多発性骨髄腫患者に対するデノスマブの安全性と有効性について今回の結果を基に判断を下すことはできないと考えている。

 デノスマブ群に多く見られたのは低カルシウム血症だった。顎骨壊死の発生率は両群間で同様だった。投与直後に腎臓に対する有害なイベント発生または血清クレアチニン値の上昇のような反応を示した患者は、ゾレドロン酸群に多かった。

 ゾレドロン酸に比べデノスマブは、定期的な腎機能評価やその結果に基づく用量調節を必要とせず、皮下注射で投与できるという利点を持つ。フェーズ3試験の結果は、骨転移が起きた患者の骨折や脊椎圧迫骨折の予防における新たな選択肢としてのデノスマブの有用性を示した。