混合病棟で勤務する看護師は習得すべき技術や知識が多い上に、業務が多忙であるため、化学療法などの専門的な知識と技術を高めることが困難である可能性が指摘された。2月12日から13日に神戸市で開催された第25回がん看護学会学術集会で、三沢市立三沢病院の岡田理津子氏によって発表された。三沢病院のがん化学療法が行われている病棟に勤務している看護師に対する調査で示されたもの。岡田氏は、より実践的なツールが必要なこと、わずかな時間でも行えるポイントを絞った研修会を繰り返して実施していく必要があることを指摘した。

 発表された調査は、2010年7月5日から16日に看護師83人を対象にがん化学療法に関する苦手意識、学習状況、意欲、研修会に対する意見などについて質問紙で行ったもの。回答数は63で回収率は75.9%だった。回答者のがん化学療法看護経験年数は3年から10年未満が最も多く42.9%、3年未満が31.7%だった。

 がん化学療法に興味があるかとの設問で、30.2%が「とても興味がある」、54.0%が「まあまあ興味がある」と回答、興味が高いことが示された。一方で、がん化学療法を苦手と感じるかという設問には20.6%が「とても思う」、20.6%が「まあまあ思う」で約40%が苦手意識を持っていた。苦手と感じる理由については「薬の種類や組み合わせも多く、副作用も覚えられない」、「自分に知識がないのに患者さんに接しているので不安」などがあげられた。

 しかし、がん化学療法に関して学習しているかという設問では63.5%が「時々している」と回答した。さらにがん化学療法について学びたいと思うかという設問では57.1%が「とても思う」、36.5%が「まあまあ思う」と学習意欲は高いことが示された。

 がん化学療法に関する知識の獲得手段には院内研修会、病棟化学療法手順などが多くあげられた。しかし、がん化学療法の知識は十分習得できたかという設問では「とても思う」は4.8%、「まあまあ思う」が14.3%にとどまった。知識を十分習得したと思えない理由として「マニュアルを見ないとわからないことが多い」、「研修に参加したときは覚えたような感覚になるが、その後復習しないのですぐに忘れる」、「学習不足のため」、「化学療法は好きだが、業務が繁雑でなかなか新しいこと覚えられない」などの回答が得られた。