米Eli Lilly社と米Bristol-Myers Squibb社は2月2日、進行非小細胞肺癌NSCLC)のファーストライン治療としてnecitumumabを評価する2つの国際的なフェーズ3試験のうち、INSPIRE試験の患者登録を中止すると発表した。

 necitumumab(IMC-11F8)は、上皮成長因子受容体(EGFR)に対する完全ヒトIgG1モノクローナル抗体。INSPIRE試験は無作為化、多施設共同、非盲検のフェーズ3試験で、進行したNSCLCの非扁平上皮癌患者を対象に、necitumumabをペメトレキセドとシスプラチンと併用する試験治療を行う群と、ペメトレキセドとシスプラチンを併用する対照群を比較し、necitumumabを評価する計画だった。

 しかし独立データモニタリング委員会(DMC)が、試験治療を行う群に血栓塞栓症に関する安全性の懸念があることから新規または最近登録された患者の治療を継続しないよう勧告、これを受けて同試験の患者登録の中止が決定された。対照群では新たな安全性の問題は認められていない。

 DMCは、既にnecitumumabによる治療を2サイクル以上受けた患者では、リスクは低いながらこうした安全性の懸念が継続すると考えられることも警告した。患者は、さらなるリスクの可能性について説明を受けた後、試験参加を継続することもできる。同試験の担当者らは、試験治療からベネフィットが得られる可能性を判定するため、治療を2サイクル受けた後の患者の評価を続ける方針だ。

 なお、necitumumabを評価するもう1つのフェーズ3試験、SQUIRE試験は続行される。この試験ではNSCLCの扁平上皮癌を対象として、ゲムシタビンとシスプラチンと併用し、評価を行っている。同試験では安全性の問題が認められていないことから、DMCは試験の続行を勧告した。

 necitumumabはEli Lilly社とBristol-Myers Squibb社が共同で開発している。開発および米国・カナダ・日本での商業化に伴う費用は両社が共同で負担し、その他のすべての地域における商業化についてはEli Lilly社が独占的な権利を持つ。