仏sanofi-aventis社と完全子会社の米BiPar Sciences社は1月27日、転移性トリプルネガティブ乳癌に対するイニパリブ(iniparib、開発名はBSI-201)のフェーズ3試験で、全生存期間と無増悪生存期間の有意な延長が見られなかったと発表した。イニパリブはゲムシタビンとカルボプラチンとの併用で投与された。ただし2次治療や3次治療の患者では生存改善が認められた。

 イニパリブは、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤。転移性トリプルネガティブ乳癌を対象にしたフェーズ2試験では、ゲムシタビンとカルボプラチンへのイニパリブの追加で、無増悪生存期間と全生存期間は有意に延長することが報告されている。

 フェーズ3試験は、米国の医療機関109施設において、エストロゲン受容体(ER)とプロゲステロン受容体(PgR)、HER2が全て陰性のトリプルネガティブで、転移性の乳癌患者519人を対象に行われた。患者はイニパリブによる治療を初回治療、2次治療、3次治療として受けていた。

 標準的な化学療法であるゲムシタビンとカルボプラチンを投与する群と、標準的化学療法に加えイニパリブを併用する群が比較された。ゲムシタビンとカルボプラチンは21日おきに第1日と第8日に投与した。イニパリブは21日おきに5.6mg/kgを第1日と第4日、第8日、第11日に投与した。

 今回のフェーズ3試験では、イニパリブの追加で、主要評価項目である全生存期間と無増悪生存期間の延長は見られなかったが、事前に設定されたサブ解析で、2次治療と3次治療の患者では全生存期間と無増悪生存期間が改善したという。なお化学療法へのイニパリブの追加で新たな毒性は認められなかった。

 同社は今回の結果に関し、米国や欧州の研究者らと近々検討する予定であるという。詳細な結果は今後開催される癌関連の学術会議で報告される。