ステージ3の大腸癌患者を対象にした大腸癌補助化学療法で、XELOX(カペシタビン+オキサリプラチン)またはFOLFOX4(フルオロウラシル+ロイコボリン+オキサリプラチン)に血管新生阻害薬のベバシズマブを上乗せしても、FOLFOX4を上回る無増悪生存率は得られなかった。AVANT試験グループを代表して、フランスSaint-Antoine病院のA. de Gramont氏が、米国サンフランシスコで1月20日から22日に開催された2011 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で明らかにした。

 試験は計34カ国330施設で行われ、2004年12月から2007年6月までに2867人が登録された。対象患者は(1)FOLFOX4→観察、(2)FOLFOX4+ベバシズマブ→ベバシズマブ単独、(3)XELOX+ベバシズマブ→ベバシズマブ単独――の3群に無作為割付され、それぞれ24週ずつ計48週の治療を受けた。

 FOLFOX4群は955人、FOLFOX4+ベバシズマブ群は960人、XELOX+ベバシズマブ群は952人で、患者背景に有意差はなかった。2010年6月末をカットオフ日として、3年以上フォローアップした無増悪生存率は、FOLFOX4群76%、FOLFOX4+ベバシズマブ群73%、XELOX+ベバシズマブ群75%で、FOLFOX4群を1とした場合のハザード比はFOLFOX4+ベバシズマブ群1.17(95%信頼区間:0.98-1.39、p=0.0739)、XELOX+ベバシズマブ群1.07(同0.90-1.28、p=0.4433)となり、いずれも同等だった。

 全生存率についても、FOLFOX4群を1とした場合のハザード比はFOLFOX4+ベバシズマブ群1.31(95%信頼区間:1.03-1.67)、XELOX+ベバシズマブ群1.27(同0.99-1.62)で、FOLFOX4を上回ることはできなかった。

 無増悪生存率について、割付後の期間別にFOLFOX4群とのハザード比を検討したところ、1年後はFOLFOX4+ベバシズマブ群0.63、XELOX+ベバシズマブ群0.61と、FOLFOX4群を上回っていた。しかし、1.5年後にはFOLFOX4+ベバシズマブ群1.00、XELOX+ベバシズマブ群1.02、2年後にはFOLFOX4+ベバシズマブ群1.12、XELOX+ベバシズマブ群1.15となり、FOLFOX4群と同等になっていた。

 ベバシズマブの使用群では、特有の高血圧という有害事象がFOLFOX4群よりも約10倍の高頻度で観察されたが、治療期間は3群に差はなかった。こうしたことからde Gramont氏は、「全生存率についてフォローアップを継続中だが、今のところ、切除不能大腸癌に対するファーストライン、セカンドライン治療で示されたようなベバシズマブの有用性は、補助化学療法では観察されなかった」と結んだ。