ビスホスホネート製剤は、骨粗鬆症および固形癌や多発性骨髄腫による骨転移病変の治療薬として知られている。以前、ビスホスホネート製剤の使用は乳癌リスクを低下させるとの報告があったが今回、ビスホスホネート製剤を使用している閉経後女性では、大腸癌リスクが低いことが明らかになった。米国サンフランシスコで1月20日から22日に開催された2011 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で、イスラエル・National Israeli Cancer Control Center(NICCC)のG. Rennert氏が発表した。

 Rennert氏らは以前、ビスホスホネート製剤の使用によって乳癌リスクが低下すると報告しており、他の癌として大腸癌に注目した。そこで、イスラエル北部地区で1998年から2004年に大腸癌と診断された患者のデータベースから閉経後女性を抽出、対象者と年齢・性別等でマッチングを行った人口動態統計の結果を対照群と設定した。

 大腸癌患者群、対照群ともに933人だった。ビスホスホネート製剤の使用に関しては、全く使用しなかった場合の大腸癌リスクを1とすると、1年以上の使用で0.50(95%信頼区間:0.36-0.71)、2年超の使用で0.51(同0.34-0.79)、3年超の使用で0.39(0.22-0.68)、使用期間を問わない場合には0.67(0.51-0.88)と、大きな低下がみられた。大腸癌の部位別に検討したところ、上行結腸で0.49(95%信頼区間:0.29-0.85)、下行結腸で0.50(同0.29-0.86)、直腸で0.50(0.23-1.08)だった。

 多変量解析を行ったところ、大腸癌リスクとビスホスホネート製剤の1年超の使用は相対リスク0.41(95%信頼区間:0.25-0.67)となり、ビタミンDサプリメントの1年以上の使用0.44(同0.25-0.78)、何らかのホルモン剤の使用0.49(0.33-0.74)、BMI 30以下0.57(0.43-0.76)、低用量アスピリンの3年以上の使用0.64(0.45-0.90)などを上回る結果だった。

 Rennert氏は、「ビスホスホネート製剤は、乳癌の場合と同様に優れた大腸癌リスク低下を示した。これまで大腸癌リスクを低下させるとされてきたさまざまな要因をも上回る結果だった。将来的には、ビスホスホネート製剤による癌の一次予防にも期待が持てるかもしれない」とした。