治癒切除を受けた肝細胞癌(HCC)のペレチノイン(NIK-333)1日当たり600mg投与による再発抑制効果は、Child-Pugh分類がAで腫瘍径が20mm未満の患者で高いことが明らかとなった。日本で実施されたフェーズ2/3試験のサブ解析の結果示されたもの。成果は1月20日から22日に米国サンフランシスコで開催された2011Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で、国立がん研究センター中央病院の奥坂拓志氏によって発表された。

 フェーズ2/3試験は国内41施設で、2005年3月から2007年3月まで患者登録が行われた。原発性HCC患者または最初の再発が起きたHCC患者で、治癒的切除を行った401人が対象。患者は1日にペレチノイン600mgを投与する群(134人)、300mg投与する群(134人)、プラセボを投与する群(133人)に分けられ、最長96週間投与された。ペレチノイン600mg群134人のうち、安全性の評価には132人、再発抑制の評価には124人のデータが使われた。ペレチノイン300mg群134人のうち安全性の評価には131人、再発抑制の評価には126人のデータが使われた。プラセボ群133人のうち安全性の評価には129人、再発抑制の評価には127人のデータが使われた。

 試験の結果、追跡期間中央値2.5年で、ペレチノイン600mg群の1年無再発生存率は71.9%、2年無再発生存率は48.3%、3年無再発生存率は43.7%だった。プラセボ群の1年無再発生存率は66.0%、2年無再発生存率は42.3%、3年無再発生存率は29.3%となり、ペレチノイン600mg群で再発抑制効果が確認された。ペレチノイン600mg群のプラセボに対するハザード比は2年以上で0.27(95%信頼区間:0.07−0.96)で、2年以降の再発抑制効果が高いことが報告されていた。

 今回行われたサブ解析で、Child-Pugh分類Aは、ペレチノイン600mg群の患者のうち、安全性の評価に105人、再発抑制の効果に100人、プラセボ群の患者のうち安全性に108人、有効性に106人のデータが使われた。Child-Pugh分類がAでしかも腫瘍径が20mm未満は、ペレチノイン600mg群の患者のうち、安全性の評価に50人、再発抑制の効果に49人、プラセボ群の患者のうち安全性に51人、有効性に49人のデータが使われた。

 Child-Pugh分類がAの場合、ペレチノイン600mg群の1年無再発生存率は77.4%、2年無再発生存率は52.6%、3年無再発生存率は47.4%、一方のプラセボ群の1年無再発生存率は64.2%、2年無再発生存率は38.2%、3年無再発生存率は28.8%となり、ハザード比0.60(95%信頼区間:0.41-0.89、p=0.01)で有意にペレチノイン600mg群の再発抑制効果が確認された。さらにChild-Pugh分類がAかつ腫瘍径が20mm未満の場合には、ペレチノイン600mg群の1年無再発生存率は88.4%、2年無再発生存率は64.5%、3年無再発生存率は60.9%、プラセボ群の1年無再発生存率は69.7%、2年無再発生存率は35.6%、3年無再発生存率は25.7%となり、ハザード比0.38(95%信頼区間:0.20-0.71、p=0.0021)でより有意にペレチノイン600mg群で再発抑制効果が確認された。

 一方、ペレチノインの副作用として多く見られたのは高血圧、尿中アルブミン、頭痛だった。