5FUをベースにしたレジメンに難治性の、進行または再発胃癌患者に対して、イリノテカンに加えて抗EGFR抗体ニモツズマブを投与することは、EGFRの発現が強くなるほど有効性が高まる傾向があることが、日本と韓国で行われたフェーズ2試験の予備的な解析の結果明らかとなった。1月20日から22日に米国サンフランシスコで開催された2011Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で、韓国Korea University College of MedicineのY.H.Kim氏が発表した。

 フェーズ2試験は、切除不能または再発胃癌で、5FUで難治性の患者のセカンドラインとして行われた。患者はイリノテカンのみを2週間おきに150mg/m2投与する群(A群、42人)と、イリノテカンを2週間おきに150mg/m2投与するとともにニモツズマブ400mg/bodyを毎週投与する群(B群、40人)に分けられた。患者の年齢中央値は61.5歳。今回の結果は、最後の患者が登録されてから6カ月観察した時点での解析になる。

 48人の患者(A群22人、B群26人)でバイオマーカーを調べるための腫瘍組織採取が行われた。26人の患者(A群11人、B群15人)でEGFR蛋白が発現していた。KRAS遺伝子変異はB群の患者2人に認められた。

 77人の患者(A群39人、B群38人)でRECISTによる抗腫瘍効果の判定が可能だった。完全奏効はA群、B群ともなく、部分奏効はA群が4人、B群が7人、病勢安定はA群が14人、B群が11人で、奏効率はA群が10.3%、B群が18.4%だった。

 主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、A群が85.0日、B群が73.0日で、ハザード比は0.860(95%信頼区間:0.516-1.435)、p=0.5668と差はなかった。全生存期間(OS)中央値は、A群が227.0日、B群が293.0日で、ハザード比は0.717(95%信頼区間:0.420-1.224)、p=0.2200でB群が良い傾向があったが有意差はなかった。

 EGFRの発現で分けると、0、1+、2+、3+の患者(A群19人、B群25人)では、PFS中央値はA群が86.0日、B群が69.0日でハザード比は0.994(95%信頼区間:0.507-1.949)、1+、2+、3+の患者(A群9人、B群15人)では、PFS中央値はA群が85.0日、B群が88.0日でハザード比は0.463(95%信頼区間:0.177-1.212)、2+、3+の患者(A群6人、B群6人)では、PFS中央値はA群が59.0日、B群が118.5日でハザード比は0.341(95%信頼区間:0.080-1.457)で、EGFR発現レベルがあがるほど、PFSのハザード比が低くなる傾向が認められた。OSでも同様だった。

 一方、副作用は、ニモツズマブを追加することでイリノテカン単剤よりも副作用が増えることはなく、グレード3以上の皮膚毒性もなかった。