食道癌患者の疲労感スコアと全生存率の関係をみたところ、疲労感が強い患者は全生存率が低く、予後が悪いという結果が明らかになった。米国サンフランシスコで1月20日から22日に開催された2011 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で、米国Mayo ClinicのM.C.Stauder氏が発表した。

 Stauder氏らは、2001年9月から2009年1月までにバレット食道レジストリに登録された667人の食道癌患者を抽出、その中からQOLに関する10段階の自己評価であるLinear Analog Self Assessment(LASA)の疲労感スコアが得られた659人(男性570人、女性89人、平均年齢64.7歳)を対象とした。疲労感スコアが5以上か5未満かによって2群に分け、それぞれの生存率を比較した。

 その結果、疲労感スコアが5以上は392人、5未満は267人だった。それぞれの5年生存率は、5以上群で28%、5未満群で37%と有意差がみられた(ハザード比:0.74、95%信頼区間:0.59-0.92、p=0.001)。

 さらに、食道切除を行った場合と行わなかった場合で比較検討した。食道切除を行った対象患者のうち、疲労感スコアが5以上は141人、5未満は90人だった。それぞれの5年生存率は、5以上群で40%、5未満群で54%とこちらも差が開いた(ハザード比:0.63、95%信頼区間:0.41-0.98、p=0.04)。食道切除を行わなかった対象患者のうち、疲労感スコアが5以上は251人、5未満は177人だった。それぞれの5年生存率は、5以上群で20%、5未満群で28%だった(ハザード比:0.75、95%信頼区間:0.58-0.97、p=0.03)。

 Stauder氏は、「食道切除の有無にかかわらず、患者の疲労感と予後に明らかな相関関係がみられたことは興味深い。今後、新たな臨床試験をデザインする際には、疲労感スコアについても予後に影響を与える1つの因子として考慮すべきではないか」と結んだ。