化学療法未施行の進行胃癌を対象にS-1ドセタキセルを併用投与することは、S-1のみを投与する場合に比べて腫瘍が増悪するまでの時間(TTP)、奏効率は有意に優れることが明らかとなった。また、最初から層別化されていた腫瘍量が少ない測定不能群で分けると、全生存期間(OS)、TTPともにS-1とドセタキセル併用群が有意に優れていた。しかし、主要評価項目であった全体のOSは、有意な延長は認められなかった。Japan Clinical Cancer Research Organization(JACCRO)とKorean Cancer Study Group(KCSG)が行ったフェーズ3試験The START trialの結果示されたもの。1月20日から22日に米国サンフランシスコで開催されている2011Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で、研究グループを代表してKorea University College of MedicineのY.H.Kim氏が発表した。

 研究グループは今回の結果について、セカンドラインの化学療法が影響している可能性を指摘した。またS-1とドセタキセルの併用は、アジュバントのフェーズ3試験の候補であるとしている。

 START試験は進行胃癌を対象にしたフェーズ3試験。639人が登録され、S-1とドセタキセル併用群(316人)には3週間を1サイクルとして1日目にドセタキセル40mg/m2を投与し、1日目から14日目までS-1を80mg/m2投与した。S-1群(323人)には6週間を1サイクルとして1日目から28日目までS-1を80mg/m2投与した。

 OS、TTPは、S-1とドセタキセル併用群310人、S-1単独群313人を対象に評価された。全体のOS中央値はS-1とドセタキセル併用群390日、S-1単独群334日でハザード比0.88(95%信頼区間:0.735-1.044)、p=0.1416で有意な差はなかった。一方、TTP中央値はS-1とドセタキセル併用群161日、S-1単独群126日でハザード比0.74、p=0.0004と有意に併用群が延長していた。奏効率はS-1とドセタキセル併用群が30.3%(95%信頼区間:24.4-36.7)、S-1単独群が18.4%(95%信頼区間:13.8-23.9)、p=0.004で有意に併用群が良かった。

 腫瘍が測定可能だった474人の患者では両群間にOS、TTPともに差がなかったが、測定が不能だった149人の患者では、OS中央値はS-1とドセタキセル併用群524日、S-1単独群350日、p=0.0389で有意に併用群が延長していた。TTP中央値もS-1とドセタキセル併用群252日、S-1単独群153日、p=0.0045で有意に併用群が延長していた。

 一方、副作用は、グレード3以上の白血球減少症、好中球減少症など血液学的な副作用が併用群で多く見られた。