最も進行したステージIV胃癌は、完治が難しく予後が限られた中で、治療方針を決定しなければならない。確立された治療法がない中で、緩和手術術後化学療法に期待が持てることを、秋田赤十字病院腫瘍内科の武藤理氏が、米国サンフランシスコで1月20日から22日に開催されている2011 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI)で報告した。

 対象は、2003年から2009年に治癒切除不能な胃癌に対し緩和手術を行った51人(男性33人、女性18人、平均年齢67歳)。手術法は、胃全摘が37人(73%)、幽門側胃切除が13人(25%)、噴門側胃切除が1人(2%)と、胃全摘が最も多かった。

 全患者の1年生存率は58%、生存期間中央値は23.5カ月だった。術後化学療法の有無で調べたところ、術後化学療法を行った42人(82%)は24.0カ月だったのに対し、術後化学療法を行わなかった9人(18%)は9.4カ月にとどまった(p=0.016)。

 武藤氏は、「緩和手術と術後化学療法は、患者に十分に受け入れてもらえる治療法と考えられた」とまとめた。より大規模な検討として現在、ステージIV胃癌に対する緩和手術と術後化学療法の安全性と有効性を、化学療法単独と比較するランダム化比較試験(REGATTA trial)が、日本と韓国で進行中だ。