独Boehringer Ingelheim社のアファチニブ(afatinib、開発名はBIBW2992)を進行した非小細胞肺癌患者に投与したフェーズ2b/3試験 LUX-Lung 1のサブグループ解析の結果が、胸部腫瘍に関する学際的シンポジウム2010(2010 Chicago Multidisciplinary Symposium in Thoracic Oncology)で12月10日に報告された。事後解析により、アファチニブの無増悪生存期間延長効果は、上皮成長因子受容体(EGFR)変異陽性と見なされた患者群で特に高いことが明らかになった。

 アファチニブは、EGFRとHER2という2種類の受容体型チロシンキナーゼを不可逆的に阻害する経口薬。肺癌のほか、乳癌や頭頸部腫瘍を対象とする開発も行われている。

 LUX-Lung 1試験は、進行した非小細胞肺癌患者で、化学療法と第一世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(ゲフィチニブまたはエルロチニブ)の投与を受けた後に病気が進行した585人を対象に行われた。結果は、2010年10月にイタリアで開催された欧州臨床腫瘍学会議(ESMO)で報告された。

 新たに行われたサブグループ解析は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤を用いた先の治療に対する臨床反応に基づいてEGFR変異を有すると見なされた患者(585人中391人で全体の約3分の2)を対象に行われた。

 それらの患者について無増悪生存期間を比較したところ、アファチニブ群は4.4カ月、偽薬群は1カ月で、すべての患者を分析対象にした結果(アファチニブ群3.3カ月、偽薬群1.1カ月)を上回る効果が認められた。

 加えて、EGFR陽性と見なされた患者群では、全生存期間も延長傾向を示した(ハザード比0.9、95%信頼区間:0.69-1.18)。すべての患者を分析した場合のハザード比は1.077(0.862-1.346)だった。

 同社は現在、EGFR変異陽性の進行した非小細胞肺癌患者に第一選択としてアファチニブを投与するフェーズ3試験LUX-Lung3を進行中だ。